見出し画像

自分で立ち上げた会社がブラック企業だった。もちろん、犠牲者は自分だった。

 気がつけば、フリーランスになって13年経っていた。

 10年もたてば、大抵のことは経験するというけど、本当にそのとおりだなと思う。発展繁栄しているときと、低迷しているとき、一通りの成功と失敗を経験してきたなあと思う。

 いまうちの会社は低迷期から抜け出すところだけど、幸福度で言えば、今が一番幸せだと思う。

 自由度が大きい。

 振り返ってみれば、起業して3年くらいが一番きつかった。

 会社を自分で立ち上げる前は、経営にも参加はしていながらも、やっぱり雇われて給料もらっていたから、束縛感、不自由さを感じていた。出社時間は決まっているし、休みも自由に取れないし、拘束時間も長いし、それに、やっぱり、社長がいるわけだから、自分ではいい企画上げていると思っても最終決定権は持っていないから、悔しい思いをすることも多かった。

 それが、自分で会社を始める立場になれば、すべて自由!

 自分で社名を決めて、役員きめて、事業計画たてて、オフィスの場所決めて、部屋をおしゃれにして、社員の給料決めて、休みも決めて、

すべてが自由!


になるはずだった。

 なのに、僕はどんどん、不自由になっていった。

 代表取締役としての僕が決めた決まりにどんどん縛られていった。

 朝早くから夜遅くまで、誰よりも仕事をして、休みも取らなかった。
 大事なプライベートの用事よりも、何よりも仕事を優先さえなきゃならなかった。スタッフはかなり自由に仕事してたけど、僕だけブラック企業に勤めているようだった。

 まえの会社に努めていたときのほうが、だんぜん自由に楽しく仕事をしていた。

 会社組織から自由になったのに、起業して、なぜこんなに不自由になっているんだろう?おかしくない?

と、気がつくまでに3年かかった。

 会社はこうあるべきだ。社長はこうあるべきだと、自分で縛りを作って、がんじがらめになっていった。

 それに気がついた3年後から、突然楽になっていった。

 3年の間、自分で自分の首を締め続けて、苦しい苦しいともがいていたようなものだ。
 
 それに気がつくと、なんて、馬鹿なことをしていたんだろう、となる。
 首を絞めているのだから苦しいのは当然で、すぐに手を緩めたら、それは楽になるよね。笑ってしまう話かもしれないけれど、すべて自分の心が作り出したもので、現実に催眠術にかかったかのように、毎日行動していたわけだから、心には力がある、物理的に現実を変える力があることを学んだ。

 それから、僕は、どこまで自由になれるかチャレンジしている。

 もちろん、すでに心は自由自在で生きながら涅槃に入る勢いなんだけれど、やっぱり、この世にいながら、お金の自由とやりたい仕事の自由、それと健康を続ける自由を追求していきたいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?