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捨てられない理由「ものへの思い入れが強くなる」

物は物ですが、そこには人それぞれのドラマがあります。

購入するまでのドラマ、プレゼントされたときのドラマ、
また、使用している中でもドラマがあります。

それが、時間とともに思い出になるのです。

母から受け継いだ着物、賞状やトロフィー、子どもたちがプレゼントしてくれたものなど、思い出が詰まっているもの、人生の歴史が刻まれたものは、なかなか捨てられないものなのです。

70代の男性は、新婚時代に貧困に苦しむ中、節約をしてもなかなかお金がたまらず諦めていたところ、奥さんからなんと許可が出て、やっとの思いで買ったオーディオセットを、40年間も使っているそうです。

その方は、「つらいときにいつもレコードをかけて妻とともに乗り越えてきた」といいます。

今は、レコードは壊れていてかけられず、ラジオは聴けるそうですが、「ラジオを聞くだけならいくらでも小さいものがあるけれど、このオーディオセットが捨てられない」といいます。

ラジオしか聴けないオーディオセットは、他の人から見れば巨大なガラクタです。

捨てて、新しい小さなラジオを買えばいいのに、本人にとっては、思い出のぎっしり詰まった大切な宝物なのです。

年をとればとるほど、思い出も深まり、人生が刻まれていきます。

そしてなかなか捨てられないのです。
自分を捨てる感覚になるためです。

なかなか捨てることができない、思い入れのあるものですが、
なぜ、これらのものが人生に悪影響をもたらすのでしょうか?

その理由は、それらのものに囲まれて生きるということは、
過去に生きることを意味するからです。

過去に生きれば、未来に生きる意欲が落ちます。

その結果、今を生きる力も失われてしまうからです。

『捨てるほど若返る!人生の「そうじ力」』P.84

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