残り雪(詩)
もうすぐ冬も終わるのに
道端に残った 白い雪
わずかに生命を感じるが
そのうち溶けてしまうだろう
まるで人間のようだ
盛大に降ったはずが
気づけば跡形も残らない
寂しい結末を迎える
だけど私は忘れたくない
どこかで降った雪の景色も
あの人が生きていたことも
ずっと残しておきたい
しかし私だって滅びるわけで
私を覚えていてくれる人は
本当にわずかしかいないだろう
儚く 虚しく 侘しく
雪が溶けて水になるように
私も燃えて灰になる時が来る
だけど私は忘れたくない
どこかで降った雪の景色も
あの人が生きていたことも
残しておきたい
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