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下駄箱夢物語



卒業式の日 帰り際に下駄箱を覗いてみると
一枚のラブレターが入っていた
急に周りの景色が鮮やかになった
そしてドキドキする気持ちを抑えられなかった

しかし送り主が書いていない
誰が書いてくれたのだろう?
ラブレターを読んでみようか
僕は封を空けてみた

ラブレターは繊細な文字で
そして焦がれる想いを乗せて
「好きです」と書かれていた。
屋上で待っています、とも

僕はラブレターを持ったまま
近くの階段を駆け上がった
誰かわからないが 間違いなく
そこに夢は詰まっているから

屋上へ向かうと 春の風が吹き付けて
一人の女性が立っていた
僕は少し いや 想像以上に驚いた
そこにいたのは 僕の担任だった

ラブレターなんて古風だよね
先生は言った 照れた様子で
細く清純な髪の毛は風で揺れ
僕の感情は青空色に変わった

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