黒たまご見ながら独り語り。
偽りの殻を破り、素直に面白いと思えるものを書く。紛い物な善を描くよりも、正面から悪を書いた方が身に合っている。自分は優しい人間でも、正義感がある人間でもない。誰かを癒したり、慰めたりできるものを書くことは難しい。ただ、誰かの心に小さなかけらを残すことはできる。それが心地よいものなのか、それとも喉に突っかかった小骨になるのか、それは人次第。それでもいい。どんな形であれ、記憶に残ってくれればそれでいい。「ああ、よかった」もいい。ただそれ以上に「なんだろう、これ。忘れられないなあ」と思われるものを書きたい。
最近はそんな欲望を抱え続けている。
お利口さんでいたい時期もあった。真面目に生きることが正しいと思うこともあった。もちろん、間違ってはいない。ただ、私はもう少し素直になるべきだと知った。だからこそ、イヤなものを書いた。そしてそれが思いの外読まれた。
どういうわけかわからないが、自作短編である『パンケーキに塩を振る』という作品が、多くの方に評価をいただいた。ハートの数もいつもの三倍ほどいただけたが、それ以上に見られた数が異常に多かった。いつもなら二百から三百ほどだが、この作品に関しては一万を超えている。もちろん全ての方が最初から最後まで読んでいただいたとは思わないが、それにしてもビビる数字だった。思わず「え、まじ」と声を出してしまうほど。約三年ほどnoteをやっているが、こんなに多いのは初めてだった。読んでいただいた方々に心より感謝申し上げたい。しがない執筆屋にとって、本当に励みになる。これからも自分が納得できる作品を書き続けていきたいと思えた。
創造して書く。たとえAIが発展しようが、紙の本が売れなくなろうが、戦争が起きようが、地球が滅びようが、私は人生が終わるまでそのことを止めたくない。もはや引くに引けなくなってしまった。今更書かない人生など、全く想像できない。人間だからそのうち死ぬ。そのとき、未完の作品があれば素晴らしい。なんて考えたりするほど、何かを書くことが好きである。
創造して書く。殻なんて粉砕して、ありのままを貫いて。
6月はもっと更新したいです。それでは、また。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?