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カラオケのタコ唐揚げ(終わらない夏)




 君が歌っていたラブソングは
 ひどく甘ったるい歌詞だった
 僕はタコ唐揚げを食べながら
 別れるための言葉を探した

 愛とか恋とか単純な一文字が
 この世界に散乱している限り
 僕はどうも素直になれない
 分かり合えそうにないらしい

 君はよく「好き」を求めるけど
 僕はそれを言える立場にない
 そもそも「好き」を知らないから
 君の要求に応えられない

 君の熱情は 僕を溶かせない
 僕の冷徹な心が氷となり
 全ての感情を凍らせるせいで
 君を幸せにできないでいる

 さよなら それでいいかな

 君は心を込めてラブソングを歌う
 俺が愛してやるって 強い意志で
 僕はタコ唐揚げを食べながら
 君の歌を聞いているふりする

 
 
 

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