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午後三時の唇(『回顧する蚕』)

 君と食べたあのレストランの
 ナポリタンが僕の胃の中で眠ってる
 アフタヌーンティーを飲んで一息ついて
 ソファの上で二人転がる昼下がり

 遮光のカーテンを買ったはずなのに
 眩しいくらいに光が差し込んできて
 僕は思わず目を細めてしまうけど
 君はなぜか僕だけを見ている

 どうしたの? 僕は悪い癖問うことばかり
 君は何も言わずに 僕に近づいて
 ゆっくりと愛を確かめるんだ
 午後3時の唇は 僕を溶かし続ける

 温かい風が恋しいこの季節
 昔はこたつがあって それに足を潜らせて
 でも今は暖を取るのも一苦労だから
 君の温もりに頼ってしまうけど いいかな

 前に買ったアロマキャンドルの香りが
 部屋中に広がって そこはもう異空間で
 僕は恥ずかしくて でも幸せで 
 君はどんな感じ? また解いてほしくて

 愛してる? 僕は自信がないんだ
 君が離れていくのが怖いんだ 
 そっと君の柔らかい肩に手を回して 
 午後3時の唇を もう一度奪って

 なんて狂わしい時間だろうか
 君も僕も もう何もかも考えれないから
 ゆっくりと愛を確かめるしかなくて…

 だからさ午後3時に君の唇にキスをして

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