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棚草子【春の詩】

すこしだけ肌さむくて
羽織りの下はタンクトップ
今日が穏やかに始まる
山づみの仕事を端に寄せ
本棚から友を持ち出す

窓から見える木々はいつの間にか
青くのびやかに葉を広げた
十二時間働きづめでいるわたしと
そのあいだに少しずつ成長する木々は
何ら変わりなく
同じ時間を生きており
等しく変わっていくのだった

外へと伝えられぬ変化は
攻撃されず 確かに強い
どうか健やかであれ

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