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佐々木 孝文
2016年11月23日 14:08
近代出版史の基礎文献のひとつ、『新潮社七十年』。 創業者・佐藤義亮のことも含めて、社史にしては中立的な筆致と思われる。しかし、新潮社からみて都合の良い悪い事情は記述を避けたり微妙に記述をずらしたりしている。 そういうことを踏まえてこの本を読むと、戦前の新潮社と鳥取県人脈の関わりの深さが、かなりはっきり見えてくる。 誤解を恐れずに言えば、出版社としての新潮社の基盤づくりには、かなりの部
2016年10月31日 23:07
鳥取県立図書館の膨大な鳥取県出身人物のデータベースに登載されておらず、これまで地域の文学研究者にもあまり知られていなかったであろう文学者として、引田春海を紹介したい。 引田は、東伯郡中北条村に大正3年5月に生まれ、小学二年生の時に中国に渡り、ついで旅順に移動した。昭和8年に旅順第一中学校を、同10年に同学会語学学校を卒業した後、外務省文化事業部の在支第二種補給生として北平中国大学で国文科