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父の人生を変えた『一日』その9 ~就職活動を総合商社へ~

その9 ~就職活動を総合商社へ~
 総合商社素晴らしく良い会社である。給料もよく大学時代優秀な成績の人だけが入れる『超一流』の会社である。東京大学・阪大・京大等優秀な大学出身の人が多い。コネもなく私立大学での私には入れるかどうか?色々と調べていくと伊藤忠商事・三菱商事・丸紅・住友物産・三井物産・日商岩井・ニチメン・トーメン・安宅産業があった。自分は丸紅とトーメンに狙いを付けた。後で解ったことだが東大や京大卒は簡単な試験で入社合格であったと聞いた。私は私立大学、知能試験から色々な試験を7回も受けた。英語の試験は3時間であった。私は英語のプロ、1時間半で終わらした。自分に対するハンデをつけた。重役面接貴方の短所に性格強情とあるがどんな時だ?と聞かれた。私は外国学部英語課卒業他の大学の経済学部や商学部のライバルとハンデをつける為に3時間の英語試験を1時間半の半分の時間で終了させた。ううーん、常務はうなった。結果はどう思うか?満点の100点ではないかと思います。98点だ、と答えが返ってきた。
 人事担当の課長も部長も黙っていたが常務だけが質問がきた。どこか総合商社は受けたか?「はい 丸紅を受けました」結果は?「学科試験は合格し来週二次試験です」と答えた。ここで時間があった。常務が厳しい目つきでこういった。今、㈱トーメンに決めれば合格する。今、決められるか?「はい」と元気よく答えて入社試験合格となった。丸紅は丁寧にお断りした。―総合商社マン―じっくりと先を考えていた。


~倅の解釈~
私も父にあこがれて就職活動は総合商社に絞った。英語を活かしたかった。でも残念ながら、伊藤忠商事以外は不合格。伊藤忠商事も内定を取り消されてしまい、軌道修正して証券マンを狙った。ここもメリルリンチを最終面接まで残ったが、ライバルは皆、3か国語以上しゃべるスペシャリストの集まり。結果不合格。アメリカ大使館も受けてはみたが、事務方の仕事で納得いかず。他に受かった中小企業の商社で判断しようと決断。父に企業名を並べて相談した。「ダメだ」の一点張り。「ここを受けてこい」。そこは、電気設備の商社であった。
「親父、俺は会社継がないぞ。その約束だったよな?」
「わかっている、でも商社を狙うならここも受けてみろ」
当社が取引ある東日本では一番大手の電気設備商社。父のコネもあり、無事合格。
どうしようかすさまじく悩んだ末に、大学の教授に相談。
「お父さんは一人で会社経営という闘いをしている、あなたはそれを手伝う気はないのか?」
この一言で心決めた。最終的に継ぐことも視野に入れ入社を決めた。


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