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私学教員就活をしようとしている大学生&院生へ


 随分と久しぶりになってしまった。今日は私立学校の教員を目指している現役の大学生と院生に向けての記事を書いていきたい。

1私学教員の採用情報を探すには

 私立学校の教員採用情報を探すのにはいくつかの方法がある。方法自体は検索すればいくらでも出てくる。noteにも先輩方の素晴らしい記事が沢山ある。詳しくはそちらを参照してもらいたい。僕が実際に利用したものを紹介する。

①私学教育研究所の「教職員募集情報」

 とりあえず毎日これを見る。自分の教科の欄に〇がついている学校のサイトは一度確認する癖をつけよう。僕が知る限り最大級の募集情報が集まっている。(ちなみにこのサイトをずっと見ていると「一年中募集している学校」「毎年大量に募集している学校」なども分かる。)

②キリスト教学校教育同盟の「公募」情報

 私立学校には、キリスト教の教えに基づいて設立された学校も多い。いわゆるミッションスクールを希望する人は、こちらのサイトも覗いておこう。

ちなみに、仏教系の学校が知りたい人は全日本仏教会の「仏教系学校紹介」を参照するとよい。あまり数は多くないが仏教系の学校が紹介されている。

③教員就活サービス

 私立学校の教員専用の就活サービスはいくつかある。「教員採用.jp」「E-staff」などが有名なものだろうか。このあたりのサービスに登録しておくと自分に合っていそうな学校の紹介がたくさん来る。中には非公開求人もあるので、「名門校に行きたい!」という人は登録してみよう。

④所属大学に来る求人票

 意外と穴場なのが求人票。自分の所属大学宛に来ている求人なので学歴で落とされる心配はまずない。非常勤講師の求人なども頻繁に更新されるので要チェックだ。

⑤私学教員適性検査

 各都道府県の私立学校協会が実施している適性検査を受験するのも手段としてはアリだ。ただし、リストに掲載されるのは1年限りなので費用対効果としては微妙なところ。受験すると9月以降大量のオファーのお手紙を頂くことになるので、自己肯定感は高まる。

 東京都の適性検査は「専門教科・科目」「教職教養」の二科目だが、どんなに低くてもどちらもB以上ないと厳しい。もっと言うと、「専門教科・科目」でAが取れない学生が欲しい学校なんてそうそうない。自分の教科の勉強くらいしっかりとしておこう。ちなみに僕は

「専門教科・科目」→センター試験

「教職教養」→教員採用試験の「教職教養」対策本

で勉強した。

⑥口コミorコネ

 元も子もないが、私立学校出身の人は知り合いの先生に思い切って聞いてみよう。母校でなくても、採用情報を回してくれることは往々にしてある。縁故採用上等!という気概で応募するタフさは必須だ。

2実際に応募する

 情報収集をしていくうちに、気になる学校が出てきたらどんどん応募してみよう。実際に応募するにあたってやることを書きだしてみる。

①募集要項や採用情報をスクリーンショットで記録する

 なぜこんなことをするかというと、「募集期限を過ぎた求人情報は学校のサイトから消される」もしくは「見えにくい場所に移動される」からだ。複数の学校に同時に応募する場合は特に、スクリーンショットをして魚拓をとっておこう。

②履歴書を書く

 応募先指定の履歴書がある場合は必ずその履歴書をダウンロードして使うこと。そうでない場合は自分の大学の履歴書や、市販のもので構わない。自分の経歴やアピールポイントを余すところなく伝えよう。大学に就職指導センターがある場合は、応募前に必ず履歴書をチェックしてもらおう。

 履歴書に貼る写真は、就活写真を撮ってくれる写真スタジオで撮ろう。自分の容姿に頓着しない(僕のような)人間が証明書撮影機で撮影したものとは天と地の差のクオリティの写真が出来上がる。(さすがプロ。)

③応募先指定の課題がある場合は余裕をもって取り組む

 僕が今まで見たことがある課題は

・授業計画の作成
・指導案作成
・テーマに沿った小論文の作成

などがある。ギリギリになってから慌てて取り組まないようにしよう。余裕をもって取り組もう。大学の就職指導センターの人や、教員を目指す仲間にも目を通してもらってから提出すると更によい。

④各種証明書を準備する

 「成績証明」「卒業(見込み)証明」「教員免許の写し(取得見込み証明)」などを求められる。大学によっては発行に時間がかかることもあるので、これも早めに請求しよう。特に注意が必要なのは、「学部の時の大学と、修士課程以降の大学が異なる人」だ。通常の請求以上に時間がかかることがあるので、応募を決めたらすぐに大学に問い合わせることを強くお勧めする。

⑤郵送準備をする

 全ての書類が揃い、確認が済んだらいよいよ郵送の準備をする。僕がやっていた流れはこうだ。

書類を折らずに入れられる封筒を買う
※定形外の「角型2号」がA4を折らずに入れられる。

書類を入れる前に宛名、差出人を書く
※宛名は募集要項で指定されていることも多いのでその通りに書くこと!「御中」も忘れずに。

書類を入れて、封をとじる
※入れ忘れがないか最終確認!

郵便局の窓口に持っていく
※「本局」といわれる郵便局に持っていくと早い。

応募完了!

 書類の不備や期限超過は大抵一発アウトなので気を付けよう。もちろん、履歴書の記入漏れもないように!

3書類審査に通ったら

 書類審査に通ったら、次は実際に学校に行って選考を受けることになる。筆記試験→模擬授業→面接(教科面接)→最終面接(管理職面接)という流れがほとんどだ。

 筆記試験対策は入念に行っておこう。基本的な知識事項は必ず復習しておくこと。センターレベルの演習はやっておいて損はない。難問が出たら、皆解けないのでへこむ必要はない。

 模擬授業や面接は練習あるのみなので、就職指導センターや友人同士で練習して、恥ずかしがらずに他人の手を借りて成長していこう。模擬授業に関しては、ビデオで録画しておくと自分の癖を客観的に知ることができる。一度はやっておこう。意外な口癖が見つかるかもしれない。(ちなみに僕は「~はですね」という口癖を発見した。)

 面接は、緊張するのが当たり前だ。しかし、学校によっては1対7の面接をしてきたり、教科の専任が全員出てきたりと「圧迫面接」気味な面接をしてくることもある。そこで弱気になってはいけない。負けるな。上手くはねのけられる精神力を試されているのだと思ってよい。

 模擬授業も、当日いきなり無理難題を示されることもある。そこで戦意喪失して自信なさげに授業してはいけない。どんなに自信がなくても最後まで明るく元気よく、生徒と楽しく会話しながら授業をする教員の演技をしよう

 僕の体感では、管理職面接の案内を貰えば、内定はほぼ確実だ。最後の最後で学校の理念と正反対の意見を述べたり、基本的な礼儀がなっていなかったりしなければ大丈夫だ。

4選考に落ちた時の考え方

 「面接で好感触だったのに落ちた」「模擬授業で手ごたえを感じたのにダメだった」ということもあるだろう。しかし、学校としてはあらかじめ欲しい人物像が決まっていたりする。(それを募集要項に明け透けに書くと法に触れるので書いていないし、もっと言うと書類でも落としにくい。)だから少しだけ反省会をしたら、次の学校に応募しよう。きっと良い学校が見つかるはずだ。

 私立学校は、新卒を取りたがらない傾向があるのも事実だ。数年以上経験があって、すぐに担任が持てるような即戦力を欲しがる傾向が強い。私立学校にどうしても勤めたいなら、非常勤講師をして経験を積みながら次のチャンスを待とう。(かくいう僕も、研究職と非常勤講師を兼職している。)


 僕自身、何校も応募して、何校も落ちた。でも、今の学校にいられて良かったと思っている。他の大学生や、院生の私立学校への就活の助けになる記事になっていたら嬉しい。一緒に、良い教育を作っていきましょう。





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