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高畠熱中小学校事務局おすすめ図書15選 2022年3月版(13期授業の振り返り)

 こんにちは、高畠熱中小学校事務局の長谷川です。前回好評だった事務局おすすめ図書の記事の第2弾という事で13期の授業の振り返りを兼ねて書いていこうと思います。
 熱中小学校の授業の際には、先生の著書や関係図書や推薦図書を用意して、事務局内で予習や復習させていただいているのですが、今期もそちらの本から抜粋してご紹介させていただきます。また高畠熱中小学校では現在第14期生徒募集中ですので、興味のある方は是非HPもご覧になってみてください。

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Soup Stock Tokyoのスープの作り方

10月9日(土)に授業いただいた桑折敦子先生の参考図書、授業ではスープストックトーキョーでレシピ開発に関わられていた桑折先生のスープづくりにかける想いをお聞きしましたが、こちらの本には実際のスープのレシピが大判の写真と共に掲載されています。シンプルながらこだわり抜かれたレシピは普段の料理にもハレの日のごちそうにも使えそうです。

漂白される社会

 社会学者として活躍される開沼博先生の著書、「豊かさ」のなかでかつてはそこにあったはずの「色」が失われていく。「現代社会とはいかなる社会なのか」という問いの元、漂白される社会の実態や構造をとらえています。2013年刊行の本という事で10年程で社会も大きく変化している事も感じますが、現代に続く社会問題の構造的な問題は同様に続いておりより複雑化しています。一人一人が答えを見つける旅に出る手助けになるような一冊です。

日本の盲点

 こちらも開沼先生の2021年1月刊行の最新著書、現在に至って様々取り沙汰される話題や社会問題に一つ一つ言及されています。概念、社会、メディア、政治、3・11と広いテーマについて、それぞれの盲点となっているであろう内容を中心に語られています。盲点が生まれる根本的な要因、まずは事実を事実として理解する事の大事さを書かれています。

JR上野駅公園口

 10月23日(土)に授業いただいた相馬 行胤(そうまみちたね)先生の推薦図書、著者の柳美里(ゆうみり)さんは東日本大震災以降南相馬へ拠点を移し活動されています。本作は福島県相馬郡(現在の南相馬市出身)で、1964年東京オリンピック前年に出稼ぎ労働者として上野に上京、高度経済成長ののち、そこでホームレスとなった男性が主人公の物語です。

自在化身体論

 11月13日(土)に授業いただいた稲見昌彦先生の著書、道具やテクノロジーの進化に伴い人類の行動の可能性は大きく広がってきました。本書では特に「自在化」というテーマのもと稲見先生が中心になって取り組まれている未来像について書かれています。超感覚・超身体・変身・分身・合体という5つのテーマに分かれた内容は、未来のテクノロジーの創造が広がるとともに、当たり前に行っている動作や人間の感性も捉えなおす必要があると考えさせられます。

未来は言葉でつくられる

 11月27日(土)に授業いただいた高橋直記先生の推薦図書、タイトルのとおり「言葉を使って未来をつくるための本」という事で、時代や組織、商品の開発の元となった30の言葉のケーススタディと共に、実際にそのような言葉を作ったり活用したりする方法が記されています。シンプルにまとめられておりとても読みやすい本です。

まちの保育園を知っていますか?

 11月27日(土)に授業いただいた根岸拓哉先生が務めるまちの保育園について、創業者である松本理寿輝さんが書かれた本。子どもたちの興味や好奇心を中心としたユニークな園の運営方法や園とまちを繋ぐコミュニティコーディネーターや併設されたカフェの役割など「まちぐるみ」で「子育て」を行う様々な仕掛けについて綴られたこれからの保育園のカタチを考えさせられる一冊です

「婚活」時代

 12月11日に授業いただいた山田昌弘先生の著書、2008年に初版が刊行された本書ですが、今となっては当たり前に使われる「婚活」というワードの先駆けとなった本です。結婚にまつわる社会変化や「晩婚化」や「非婚化」が進んだ根本的な要因などの分析から始まり、多様化する「婚活」の実態について書かれています。

新型格差社会

 こちらは2021年4月20日刊行の山田先生の最新の著書、山田先生は2007年に「希望格差社会」という本も手掛けられていますが最新のこの本では、「家族格差」、「教育格差」、「仕事格差」、「地域格差」、「消費格差」の5つの格差について着目し、社会変化の必要性について示唆されています。格差を理解した上でどう行動するかこれまた難しいですが、まずは認識し理解するところから始まるというのは間違いないでしょう。

社会的共通資本

 1月27日(土)に授業いただいた林口砂里先生の推薦図書、2000年に初版が刊行されたこちらの本ですが、今なお様々な形で取り沙汰される持続可能な社会やコモンズについて、根源的な提言を語られている本です。自然環境、都市、農村、教育、医療、金融という中心的な社会的共通資本の分野についてのまとめられています。第2章において「職業に貴賤を問うべきではないが、農、医、教育がもっとも神聖な職業であることには異論がない」という言葉にはとても重みを感じます。

妖怪学新考 妖怪から見る日本人の心

 1月27日(土)に授業いただいた松本友哉先生の推薦図書、合同会社とびしまを設立し、離島での新しい自治体の形を模索する松本先生。民族学的な見地からの地域づくりの研究もされているとの事で、こちらの本を推薦いただきました。妖怪学は「妖怪文化学」であり、妖怪を通じて人間の理解を深める「人間学」なのである。というような書き出しから妖怪学について書かれていいます。

はたらく細胞

 2月12日(土)に授業いただいた石原亜香先生の参考図書、細胞擬人化漫画として2015年に刊行されてからアニメ化などもされ、今に至る人気シリーズ。授業では免疫や創薬についてのお話でしたが、改めてそういった分野を学びたいと思った際の入門書におススメいただきました。

5000日後の世界 すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる

 こちらも石原先生推薦図書、「テクノロジーに耳を傾ければ未来がわかる」という言葉のもと、SNSに続く巨大プラットフォームの予測、食や農業の形を全く変えるバイオテクノロジー、新しいエネルギーやスマートシティ、それらに伴う国や地域でのパワーバランスの変化など多岐にわたって書かれています。生命のように進化していくテクノロジーはこのまま成長を続けるのか、それともどこかで全く異なる変化をするのか。私たちの今とこれからの未来は人類史において今なお激動の時代なのは間違いないでしょう。

人口戦略法案 人口減少を止める方策はあるのか

 熱中小学校開校前から高畠にて講演をいただき、現在は内閣官房参与としてご活躍される山崎史郎先生の著書、2021年11月に刊行された新書です。人口戦略法案という名前の通り人口戦略に絞って、国家シナリオの見直し、出生率と人口動態、働き方や社会保険、育休や保育、地方創生や移民政策、一つ一つ悩ましい問題について冷静に分析されています。小説形式で書かれており、理想を下に現場の葛藤や進める上での問題点なども、物語を通じて描かれている、力強い想いを感じる一冊です。


以上、第13期の事務局おすすめ図書でした。

 授業を改めて振り返りながら著書や推薦の図書などを読ませていただくと、より世界が深く広がっていくのを感じます。そのほか”新教育”についての本も様々読ませていただいて実践的に取り込んでいますので、こちらも近々公開予定です。是非気になる本があればみなさんもお手に取って読んでみてくださいね。高畠熱中小学校図書館に実際の本も置いてありますので、生徒の方は来校の際に立ち読みもOKです。

高畠熱中小学校第14期生徒募集中!

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