じゃんけん大会を盛り上げる手法とMC(その③)
その①では事前に客席を温めるコツ
その②では観客を味方につけるコツ
今回は、じゃんけん大会後半戦。レアな賞品や数少ない賞品ではどうするかについて書きたいと思います。これを知る知らないでは大違い。まさにMCの技量が問われる場です。
その場の雰囲気を見ながら、また賞品によって、下記のように手法を使い分けています。
☑ 前に出てきていただいて勝負
☑ 敢えてその場で勝負
前者は、勝者を応援したくなる仕掛け
後者は、敗者に期待を持たせる仕掛け です。
ケース)レアな賞品3点、勝者は5人
1.前に出てきていただいて勝負
前に出てきていただくときには、(勝った)手をそのまま上げて出てきていただきます。グーで勝ったときは、グーのまま大きく手を上げてお越しいただきます。
勝負の方法は2つ
・アシスタントと勝負
・勝者でじゃんけん
女性向きの賞品のときに男性が何名か勝ち残った場合、「女性向きの賞品です。この中で勝負を辞退される方はいませんか?」と、男性を見ながらイジる場合もありますが、やり過ぎに注意。テンポよく進行しましょう。
ここで大切なのは
敗者にも何かプレゼントを用意しておくこと。
「勝った方3名には賞品、負けた方名にも「何か」プレゼントします!」とじゃんけんが始まる前に言うのです。
大勢の参加者の前に出てきていただいて、負けて、何ももらえずに席に帰る。これは敗者にとって辛いもの。泣き出す子どももいますから。
このプレゼントは、少しクスッと笑えるもののほうがいいかもしれません。安価なもので結構。例えばサバ缶とか袋入りラーメン、たわし、などなど。
もちろん最初に数点を「専用ボックス」に入れておいて、敗者の年齢や性別を見ながら、そこから選び出してお渡しします。
これで敗者にも拍手が起こり、会場全体が暖かいムードに包まれます。ここでまたMCの株が一気に上がります笑
2.敢えてその場で勝負
参加者のほとんどが欲しい!と立ち上がる賞品の場合、残った勝者を前に出さずに、その場に残っていただいたままで勝負することがあります。これは時間短縮とともに、敗者にも期待を持たせる作戦。
「今目の前に5人の勝者が残っています。賞品は3つ」
「僕に勝った方は賞品を手に入れることができます」
「もし全員が負けた場合、最初からやり直します」
ここで敗者からは歓喜の声が上がり、MCの私に勝ってほしい(祈りに近いような)ムードに会場が包まれます。もちろん勝者からは、絶対に負けへんぞというオーラが。
※※ 緊張の一瞬 ※※
不思議とここで、5人全員が私に負けるということが、とてもよく起こります。あいこも負けなので、私に勝つ確率は1/3なんですから。全員が私に負けた場合
会場は歓喜の渦
負けたみなさんも笑いながら頭を抱え、さぁもう一回勝ち残ってやる!という、ものすごい「正のエネルギー」が会場全体から出ます。
では、全員でもう一回!と言う私の言葉に、うわーっと声を上げて立ちあがる参加者を目にするたびに、ライブ会場でヒット曲を演奏する有名アーティストって、こんな気分なのかなと想像します。まさにMCの醍醐味。
というように
敗者に嫌な気持ちにさせないことが、最後まで安心して、笑顔で参加者が楽しめる工夫だと思います。
3.さらにこんな工夫も
じゃんけん大会が一日で終わらず、何日かに渡って開催される場合。イベントが数日あって毎日開催される場合の「初日〜中日(なかび)」に効果的な手法があります。
《前に出てきていただいて勝負》のときに使うテクニックなのですが、例えば賞品が2→勝者が3人だとします。
前に出されたにもかかわらず、ひとりだけ負けてしまう。とても残酷な場面。
「えーこの中に遠慮(辞退)される方はいませんか?」なんて、子どもの中に大人がひとり混じっていたときにはからかったりもしますが、これを言うと、たいていの大人は辞退しようとしますから、あくまでも様子をみてね。
前述のように「負けた方には別の賞品」もいいのですが、後日用に、まだ賞品のストックがある場合はこうすることもあります。
賞品を3人全員にあげる
「賞品は2つ、前に来られた方が3人」
「うーん・・・(悩むふり)」
「よし、3人全員に差し上げましょう」
「裏から取ってきます!」
と、マイクを置いてステージから降り、楽屋からひとつ取ってステージに戻るのです。
このことは、わざとアシスタントにも事前に伝えていませんので、「え?いいんですか?優しい〜!」なんて、絶対に言ってくれますから。
「はぁはぁ(ちょっと息切れ)」
「大丈夫!明日のじゃんけん大会の賞品が減るだけ」
なんて言ってみたりして。
参加者全員の目がハートになりますから笑