見出し画像

訳せない日本語の美しさ

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112

日本語は、少ない文字で深い意味だけではなく細かい情景も出てくる「神の言葉」を感じる。僕にとって、世界一美しい言語だと思う毎日。今まで日本語を勉強した理由は最近、やっとわかってきた。次のステップとして訳さない日本語の「勉強」より、訳さない日本語を「心に感じながら使いこなせる」ようになりたい。わからなくなる時もあるけど、日本語を母国語のように使いこなしたい僕は、わからない単語をまずイタリア語で調べて理解するのではなく、日本語で考えて日本語で理解したい。少しややこしいかもしれないけど、そうすると美しい表現、訳さない表現、日本人もわからない表現に出会える。

日本語が美しいと思ってる理由の一つは訳せない表現のこと。例えば「木漏れ日」は素晴らしい表現だけど、繊細すぎて外国人には伝わらないし伝えようと思うと説明文になってしまう。状況の説明は目に見えるものは伝わるかもしれないけど、木漏れ日という言葉の本当に伝えたいことは伝わらないし、味気ない言葉になってしまう。「木漏れ日」という言葉を聞くだけで目に浮かぶ風景は言うまでもなく、その時の心、想いも感じられるのは日本語の素晴らしいところでもあり、僕にとって日本語の神秘的な謎でもある。

日本語はアルファベットがなく基本的に漢字がメインで、読んだときに漢字から意味を理解する。日本人がとてつもない長い年月をかけて生み出した言葉は、人と神様の間に自然があってそこから生まれた。人々が使う言葉は神様にも伝わる言葉で、はっきりとした言い方だと失礼になるから曖昧な表現が多いのだと勝手に想像してる。「大和言葉」のこと。

日本語の美しさは日本人すら学ばないと伝わらないし伝えられない、だから美しいと感じるのではないか。外国人にとっては難しい言語のトップにランクインするにもかかわらず人気の言語の理由の一つ。学ばないと理解できないのはどの言語も共通しているけど、学ぶことが美しいことと思える言語は日本語以外にあるだろうか。

本当の日本語にやっと出会えたので、今後は日本語のない人生は考えられない。もし日本語から離れたら、足のよう指のように僕の一部になってるから、僕が消えてしまう感覚になる。時々日本人に聞かれるのは「好きな言葉はなんですか?」僕はいつも答えられない。好きなのは「日本の自然の中にある見えない心」だ。

この話は日本人にも改めて日本語の素晴らしさを発見してもらうきっかけになれば嬉しい。

マッシ


みなさんからいただいたサポートを、次の出版に向けてより役に立つエッセイを書くために活かしたいと思います。読んでいただくだけで大きな力になるので、いつも感謝しています。