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「聞く力」の意外なパワー

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112

日本に来て間もなくのある日、コンサル事業のスタッフから言われた一言が僕にとっては衝撃だった。
「ある部下とどのようにコミュニケーションをとっていいかわからない。」
そのスタッフは部下とうまくやり取り出来ず仕事もスムーズにいかない、会話もない、何を考えてるのか分からないらしい。イタリア人としてビジネスパートナーだろうがプライベートの友人だろうがまず「会話がない」ということはあり得ない。なぜコミュニケーションが分からないのか聞くと、話をしても反応が薄かったり不安そうな表情だったりするから話す気持ちがなくなって苦手な存在になってしまったらしい。苦手な存在との仕事はやりづらくて業績も上げられない、さらに相手のせいにしてしまって苦手になるという繰り返し。

コミュニケーションをうまく進める上で重要なことは「話す力」と思われがちだけど実はそうではない。本当に重要なのは「聞く力」の方だ。相手が話す内容だけではなく表情、空気、仕草を全て感じ取って相手に合わせながら、さらに聞く姿勢をアピールする。話の内容に関わらず「真剣に聞いてますよ」のアピールをすることがとても重要でそれによって相手の話しやすさが変わってくる。最初は話し下手な相手でも相手の立場になってゆっくり焦らず聞く姿勢を意識すると自然と言いたいことが伝わってくる。同じ目線になって心をオープンにすると相手にも安心感を与えることが出来る。

このスタッフの場合、相手に対して「合わない」と決めつけてしまっていて部下に諦めの気持ちが出てしまっているけど、相手のせいにする前にまず自分が変わろうという気持ちがないとコミュニケーションはまず無理だしコンサルの仕事は難しい。相手の問題は相手が考えることだから自分がいくら考えても意味がない。どんな相手でも余裕を持ってやり取りすることができないとこの先は何もならないし、上司として人を育てないといけない立場としてモチベーションが上がるように働きかけるには「聞く力」を鍛えてほしい。
今ではそのスタッフは部下との関係が良くなって、会社は順調に進んでるからやっぱりコミュニケーションにおいて「聞く力」は侮れない。

Massi


みなさんからいただいたサポートを、次の出版に向けてより役に立つエッセイを書くために活かしたいと思います。読んでいただくだけで大きな力になるので、いつも感謝しています。