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ピエモンテ人である僕にとってのヴェンキ

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112

イタリア、ピエモンテ州生まれ育ちということでピエモンテは僕にとって、大切な「国」になる。その文化、歴史、伝統、料理の魅力を知ってもらえばとても嬉しい。海外に住んで気が付いたことを言うと、僕は出身を聞かれる時に「イタリア人です」ではなく「ピエモンテ人です」を先に言う。相手はイタリア人だったら故郷の細かい話までいく。
ピエモンテといえば、ワインとトリュフ、フィアットだけではなく高級なチョコレートとヘーゼルナッツ、お菓子屋さんの産地でもある。

子どもの頃からピエモンテ産のクレミノとジャンドゥイオットを普通に食べてたけど、海外に住み始めたら恋しくて恋しくてたまらない。一回食べてみたら、他のチョコを食べられなくなるくらい美味しくて人生が変わってしまう。なぜかと言うと、ジャンドゥイオットは普通のチョコと違って、ヘーゼルナッツを完全に磨り潰しペースト状にしたものをココアと砂糖に加えて作られていて、硬くもなく柔らかくもなく、口に入れると溶ける魔法のような食感で説明ができないほど美味しい。これはナポレオン政権下での取締りによって不足したカカオを補うために、地元で豊富に採れるヘーゼルナッツを混ぜたことから生まれたそう。

ジャンドゥーヤの説明をすると
Gianduja(ジャンドゥーヤ)一般の言い方
Gianduiotto(ジャンドゥイオット)かわいくて小さいもの(単数形)
Gianduiotti(ジャンドゥイオッティ)ジャンドゥーヤの複数形

ジャンドゥーヤというキャラクターはこちらになる。

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ジャンドゥーヤの名前の歴史は、16世紀イタリア北部で生まれたとされる仮面を使ったイタリアの伝統的な喜劇に出てくるキャラクターが関係している。三角帽子と赤い上着をまとったワインと美味しい食事を愛する美食家の陽気な農民で名前はジャンドゥーヤ 。アスティという街に起源をもつトリノ人という設定の人気のあるキャラクターで、Gioann dla doja(ジョアン・ドラ・ドーヤ)すなわちGiovanni del boccale(ジョヴァンニ・デル・ボッカーレ -"酒飲みジョヴァンニ")というピエモンテの言い回しに由来している。

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クレミノは、戦争中にカカオが手に入らなくなったから、代用にヘーゼルナッツを使ったそう。特徴は四角で、1878年から作り続けてるクレミノはアーモンドペスト入りホワイトチョコレートをミルクジャンドゥーヤで挟んである。ここから色々な味が増えてきた。

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ピエモンテ人にとっては、大切な宝物。自分の存在も入ってるような特別なチョコレート。

ヴェンキは日本第1号店が、2019年12月12日(木)、東京・銀座松屋通りにオープンした。そのニュースを見た瞬間、涙が出た。ヴェンキをもっと詳しく知りたい人は公式サイトを覗いてきてね。

故郷の味、子どもの頃の思い出の味が日本でも食べられるなんて信じられなかった。そこからお店が増えていき、2021年の7月に名古屋と大阪にもオープン!今までツイッターでヴェンキのニュースが出るたびに話をしていて、7月の頭にとうとうヴェンキ公式からメッセージがあって大阪・梅田店のプレオープンのイベントに招待していただいた。そのメッセージを見た時に嬉しすぎて手が震えてた。大好きなピエモンテのチョコブランドから日本で連絡をもらえるなんて!

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ヴェンキのお店は世界中に同じスタイル、デザイン。ゴールドの内装で統一していて遠くから見てもすぐわかる。
ヴェンキの方と長く深く話してご親切にお店のことだけではなく、チョコや商品の話もしてくれてとても感動した。ヴェンキはただのチョコレート専門店ではない。ピエモンテの伝統、歴史、文化を感じられる場所で、その場でジェラートを食べ出したらまるでピエモンテにいるような感覚になると思う。

プレオープンのイベントで何年ぶりに大好きな味のジェラートを食べれた。
下からピスタチオ、ヘーゼルナッツ、クレミノ!店員さんも丁寧すぎてずっと笑顔で会話をしてくれてイタリアの心を感じた。

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ジェラートを食べてた間にイタリア人2人がお店に入ってきた。自然にまるで友人のように話してジェラートの味はさらに美味しくなった。ヴェンキの方に「お知り合いですか?」と聞かれたくらい、当たり前のようにフレンドリーな会話になっててさすがイタリア人だ。イタリア人1人(真ん中の人)はピエモンテ州トリノ出身だけど、彼のお父さんは僕の故郷(カザーレ・モンフェッラート)の生まれらしくてこの話で盛り上がった。僕はトリノ大学の卒業者と言ったらさらにテンションが上がった。このような出来事がヴェンキで起こったというのは不思議でたまらない。なかなかないと思う。しかも、そのイタリア人は兵庫県から、僕は石川県から来てヴェンキで出会えた。ヴェンキがくれるのは故郷の懐かしさだけではなく、人との繋がりまである。

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この日は楽しすぎて帰る前にたくさんのチョコを買っちゃった!高いと思ってる人は恐らくまだ食べてないからそう言ってしまう。

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名古屋のお店も気になるから早く行ってみたい。そして、大阪はよく行ってるから金沢に帰る前に一旦、里帰りしてクレミノを食べにいくと心の中で決めた。

この感動と一緒に石川県へ帰ってきて、ヴェンキを食べたことがない友人たちにぜひ食べてもらいたかった。みんなヴェンキのチョコを食べて、美味しくて美味しくて食べたことがないチョコだと言われたからすごく嬉しかった。北陸でもヴェンキを買えるようになる日が来るのを待ってる。

金沢市内でヴェンキデザインの紙袋を持って写真を撮ったら、お洒落すぎて感動した。ヴェンキの素晴らしいところはチョコの美味しさはもちろん、パッケージの美しさも感動させられる。食べる前に袋を置けるワクワク感、プレゼントでもらった時の高揚感。見た目から人を惹きつける。

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ツイッターで検索したら、イタリアで最後にヴェンキのジェラートを食べたのは2016年12月8日。トリノ出張に行って日本に戻る前にトリノ空港でピスタチオとクレミノを食べた、やっぱりね。

ピエモンテに帰りたい気持ちになったらヴェンキに行けば元気が出る!僕がヴェンキに行く理由は、チョコレート、ジェラートを食べたいからではない。人生の大切な経験、思い出を作りたいからだ。そのついでに必ず食べちゃうけどね。

Massi


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