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外国人は日本の褒め方を受け入れる?

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112

初めての自己紹介の時に、相手の日本人にいきなり「鼻が高い」と言われることが多い。日本では「鼻が高い」=褒め言葉だけど、実は海外では鼻が大き過ぎるのをコンプレックスに思っている人が多い。イタリアでは「高い鼻」と言ってしまうと、これは悪口に近いからイタリア人同士であまり使わない言葉だ。ヨーロッパでは鼻の高さを削る整形手術を受ける人がいるほど、鼻は低く小さい方がいいと思われている。顔の中であえて鼻だけをほめるのも、人によっては不快に感じる。

初対面の人の身体的特徴を挨拶代わりに簡単に発言する事が、日本で良くある場面だと感じてる。背が高い、美人、痩せてる、目の色。そのストレートさに日本に最初に来た頃はショックを受けた。今はもちろん、日本の文化として勉強して理解できたし頭の半分では素直に喜んでいる。もう半分では未だに慣れにくい表現として感じてるから、複雑な気持ちだ。実際に僕は、中高校生の時に自分の鼻の高さがコンプレックスだった。その時の気持ちを少しだけ思い出してしまう。
それと同時に文化の違いとして面白いとも思う。相手の容姿を羨むという文化そのものがイタリアでは馴染みがないから、日本の文化を理解した今だからこそ僕には新鮮に感じる。

日本移住に必須のモノは、外国人(自分)に対する褒め言葉への理解力だ。

日本の「鼻が高い」「身長が高い」「肌は白い」などの褒め言葉は羨ましい、珍しいから言う。その日本の文化を理解すれば受け入れられるようになった。日本では悪口でもなく喧嘩でもなく平和で言う。それを分かってからは、会話が楽になった。「僕の鼻の高さは3.5cmあるよ」というネタで相手を笑顔にさせることができるからだ。イタリアではもちろんそんな話はしないけど、日本では相手がせっかく褒めてくれたことだから受け入れて、相手に笑ってもらえることが僕は嬉しい。

日本の「相手の容姿を褒める文化」というのは、相手に喜んでほしい、嬉しさを感じてほしいという気持ちから来てるのではないか。その意味だと僕も同じだ。相手の喜びのために自分が存在する、褒め方ひとつでこんなにも文化の違いが出て面白いことは中々ない。

Massi

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