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散文詩:温もりが鳴く

まん丸い月が帰宅する私を
ずっと追ってきたこの夜は
春の気まぐれな夏日から
一転して肌寒さが戻り
冷気が部屋に満ちている

もうバカらしくなった
人間性を欠いた者どもに
足元を掬われてもやり返す
事もできないこの社会が…

足元の掛け布団を引き上げ
震える身体より凍えている
精神を持て余していると
胸元に丸い温もりが
分け入って来て鳴いた
にゃあと…

丸まった愛猫に頬ずりしながら
あの月はもしかしたら
今日の私を心配して
見守ってくれていたのかもしれない
そんなことを考えてみる

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