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ファンタジー詩:花と雲

花咲か爺さんは
開花日を目前にして
腰をやってしまった
皆に説明して
春祭りを諦めてもらい
花を咲かせる魔法の灰を
川へ流すと河下から
大きなバナナが
ボートよろしく川面を
遡って来たからたまげた
村の怪力少女亜瑠卒来嬢が
その大皮を剥くと
猿顔の男の子が
飛び出て来て叫んだ
「翁の跡取りに俺はなる!」
と…

一掴みの灰を空に向かって
勢いよく吹き上げると
雲の様な飛行座布団が
舞い降りて来て
爺と猿似児と怪力お嬢は
それに乗り盛大に
各種桜を咲かせたそうな

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