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第38回おうちでレガシー カバレージ Round2 しゅ〜いえ(スタックス) VS けんだま(ANT)
MTGというゲームは相性のゲームである。以前、「エスパー石鍛冶」と「青単親和」のマッチを取り上げたことがあったが、それ以上に相性が決定的についてしまう試合というものは存在する。特徴的なとがったデッキが多いレガシーでは、それはなおのこと顕著なのだ。
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例えば、今フィーチャーテーブルに着席した「けんだま」の持ち込んだデッキ、「ANT」を見てみよう。このデッキの勝ち筋としては、《渦まく知識》や《思案》、《定業》といったドロースペルで手札を整え、《暗黒の儀式》、《陰謀団の儀式》、《水蓮の花びら》、《ライオンの瞳のダイアモンド》といったマナ加速呪文でマナプールにマナを増やしていく。
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そのうえで《冥府の教示者》や《燃え立つ願い》、《願い爪のタリスマン》で《苦悶の触手》をサーチ。十分にストーム(=このターンに呪文を唱えた回数)を稼いだことを確認し、相手に致死量の《苦悶の触手》をお見舞いする…という類のデッキである。
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このデッキ、《思考囲い》や《強迫》といった手札破壊を併用するほか、そもそもコンボの起点が非常にわかりづらいため、呪文の干渉手段を《意志の力》のみに頼るようなデッキや、そもそも妨害手段のない相手には無類の強さを発揮する。その一方で、このデッキ、《苦悶の触手》以外での勝ち筋はほぼ存在せず、ストームを稼ぐという行為をとがめられた場合、かなりの苦戦を強いられてしまうのだ。
ANTの具体的な弱点を上げると、こうなるだろう。
・呪文を唱える行為に制限を加えられると厳しい。
・呪文をいっぱい唱えたいので、呪文にかかるマナが増えると厳しい。
・《水蓮の花びら》、《ライオンの瞳のダイアモンド》、《願い爪のタリスマン》の起動型能力を制限されると、動きがとりづらくなる。
以上のことを踏まえたうえで、もう一方のプレイヤーを見ていこう。
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けんだまの対面に着席したのは「しゅ~いえ」。彼が使うデッキは「スタックス」。序盤に特定のマナ域の呪文を自動で打ち消す《虚空の杯》、3マナ以下の呪文のマナを強制的に3マナにする《三なる宝珠》を設置し呪文を唱える行為に制限を加え、相手がもがいている間に《煙突》などでさらにパーマネントを削り、相手が動かなくなったところで攻めに転ずる…というデッキである。
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このスタックス、アーティファクトを多用するため、《大いなる創造者、カーン》も当然のように採用されている。ちなみにこの《大いなる創造者、カーン》、相手のアーティファクトの起動型能力を封印するというおまけもついている。
…もうお分かりだろう。このスタックスというデッキ、
・デッキの主軸となる0-2マナ呪文を全否定する《虚空の杯》
・軽量呪文のマナが無茶苦茶増える《三なる宝珠》
・アーティファクトの起動型能力を制限する《大いなる創造者、カーン》の存在
という、まさにANTを殺すためだけに生まれてきたような特性を有しているデッキなのだ。
前置きが長くなってしまった。それでは実際にどういうマッチが行われたか、確認していこう。
■Game 1
先手けんだま。1ターン目、けんだまは《Underground Sea》をセットするが、これはしゅ~いえがターンをもらい《不毛の大地》をセットし起動することで対処していく。
2ターン目、けんだまは《汚染された三角州》をセットしてゴー。対するしゅ~いえも《ウルザの物語》をセットしてゴー。
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3ターン目、けんだまは《Volcanic Island》をセットしてターンを回す。しゅ~いえはターンをもらうと《裏切者の都》をセット。そして《三なる宝球》をセットしてターンを終わらせる。
ストームを稼ぎたいのにこんなもの置かれてしまっては、ANT側は何も手出しができない。メインに置物対策を入れていない限り心が折れそうなものだが、けんだまは折れることなくターンを続けていく。4ターン目、けんだまは《汚染された三角州》から《Underground Sea》を探し、《Tropical Island》をセットして3マナで《思案》を唱えてどうにか抜け道を探していく。
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だが、しゅ~いえも手を緩めない。ターンをもらうと、メインフェイズに自壊した《ウルザの物語》から《モックス・ダイアモンド》をサーチ。そしてしゅ~いえは3マナ払い、《世界のるつぼ》をセット。墓地にある《不毛の大地》を再利用し、けんだまの土地を破壊しにかかる。
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身動きがとれないけんだま。淡々と土地を破壊するしゅ~いえ。数ターン後、しゅ~いえはペンペン草も生えないところまでけんだまを追い込むと、先ほど墓地に落ちた《ウルザの物語》をセット。さすがに打つ手がなくなったか、ここでけんだまが投了した。
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教えはどうなってるんだ教えは
しゅ~いえ1-けんだま0
■Game 2
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先手は再度けんだま。1ターン目、《Underground Sea》をセットしたけんだまに対し、しゅ~いえは容赦なく《古えの墳墓》から《虚空の杯》をX=1で設置。
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さらに2ターン目、《汚染された三角州》をセットしたけんだまに対して、しゅ~いえは《平地》をセットし《エメリアのアルコン》を展開。「対戦相手は非クリーチャー呪文を1回しか唱えられない」「対戦相手の非基本土地はタップイン」という、ANTに対するリーサルウェポンを投下していく。
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続く3ターン目、《汚染された三角州》をタップインしてターンを回したけんだまに対して、しゅ~いえは《ウルザの物語》をセットして《エメリアのアルコン》でコンバット。さらにダメ押しと言わんばかりに《虚空の杯》をX=2で展開する。
…あとは推して知るべしである。最後まで屈することなく、この絶望的状況から逃れるすべを模索したけんだまだが、《ウルザの物語》から展開されるトークン。襲い掛かる《エメリアのアルコン》。自分で展開した《虚空の杯》X=1の存在をきれいに忘れて打ち消される《冥途灯りの行進》といったしゅ~いえの圧倒的な攻め手の前には、流石のけんだまもなすすべがなかった。
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セキカワ氏のこのNoteを読んでみるといいかも。
しゅ~いえ2-けんだま0
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