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映画「プリズン・サークル」観賞録

映画館を映画でほとんど見なくなって久しいのですが
関わりのあるNPOからお声がけをいただいて見に行ってきました「プリズンサークル

以前、育て上げネットのメンバーとして、少年院で生活する若者に対して勉強を教える機会をいただいたことが何度かあったので
いわゆる
矯正・更生・保護
領域の活動に関わりがあったことも、作品を見るために足を運んだ理由であったりします

育て上げネットの少年院との関わりについてはこちらから☟
育て上げネットが少年院と連携する理由

そんな個人的な背景・経緯もあったからだと思うんだけど
プリズン・サークル、とても良い作品でした

”社会は平等だと言いながら、全然平等じゃない”
と自身のこれまでを振り返って吐露する受刑者

”刑務所を出所した知り合いの半分はまた刑務所に入った。それは出所した人と社会との間に関わりが無かったことにも理由があるのではないか”
と呟くTC(Therapeutic Community:回復共同体)プログラムに参加した出所者

そして、作品の中で個別インタビューなどを織り交ぜながら(刑務所で民間人による個別インタビューが許可されるのはまじでスゴいこと)、フィーチャリングされる4人の服役者の若者が経験した幼少期のトラウマや葛藤

社会が掲げる「機会の平等」に対する不満
個人と社会の繋がりや関わりが希薄であるが故に深刻化していく孤独
自己責任の名のもとに、到底いち個人の問題として収斂することが難しい因果関係を自分の心の中に押し込めることで生まれる混乱や反動

それらは、刑務所の中で服役する彼らに特有のものでは決してなく、社会の中で困難に直面する多くの若者が共有するものです。たぶん監督も、彼らのストーリーを刑務所の中だけの話として捉えていない。
話は明らかに刑務所の”内と外”を繋いだ構成になっているし、私たちがどんなに彼らの存在と背景を見ようとしなかったとしても、”内と外”が繋がっている限り、社会も間違いなく関与している。

まずは興味があるからでもよいし、好奇心ドリブンでも良いと思う(私も少年院に関わるきっかけはそれだった)。どこかで機会があれば見てほしいと思う作品です。オススメ。

映画『プリズン・サークル』予告編☟
https://youtu.be/6lHlaX7VZA0?si=2-xvlmLhpgBhUTtE


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