メンバーの潜在的可能性を信じると、そのメンバーはスーパースターになる
ポジティブ心理学者のショーン・エイカーは、ロバート・ローゼンタールが行った、ある小学校での知能検査に関する研究成果について紹介しています。
ローゼンタールらの研究者たちは、各クラスの教師に、彼らのクラスの中にいる素晴らしい素質を備えた児童たちの名前を伝えました。そして、教師たちに、そのことを本人に言わないように、またその子たちに教える時間を増やしたり減らしたりしないように、さらに教師たちを監視すると伝えました。
1年後、その子たちの知的能力は飛びぬけてよくなりました。もっとも、これは心理学者たちのテストですから、仕掛けがあったのです。その子たちの1年前の知能テストの結果は極めて平凡なものだったのでした。
(引用はじめ)
ごく普通の児童たちを飛びぬけて優れた児童にしたものは何だったのだろう。教師たちは直接子どもたちに何も言わなかったし、特別に時間を割いて教えたりしなかった。だが決定的なことが二つ起こっていた。1つは、教師たちがこれらの児童の潜在的可能性を信じたことが、言葉以外の方法で無意識のうちに伝わったということ。もうひとつさらに重要なことは、これらの言外のメッセージが児童たちに伝わって理解され、それが現実のものになったということだ。
(ショーン・エイカー、幸福優位7つの法則)
夢しか実現しないというコンサルタント福島正信さんは、彼のセミナーの受講者たちに、駅で寝そべっているホームレスの人の潜在的な可能性を見つけるようにと課題を与えることがあります。
ご自身のチームメンバーの一人一人について、その潜在的な可能性は何か観察してみてはいかがでしょうか。見つけたら、言語化して日誌などに書き付けておくといいでしょう。彼らに伝える必要はありません。ご自身の観察結果を信じればいいのです。彼らについて何か新しい気づきがあったら、彼らの潜在的可能性について書き付けておいた文言を修正し、磨き上げていくといいでしょうね。ご自身が信じる潜在的可能性は、やがて顕在化するでしょう。