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ある文芸雑誌

数年前から気になっていたことがありました。
あるマイナーな小説家のファンだった私は、この小説家が書いたものを探していました。出版された単行本は2冊で、これはすぐに読むことができますが、ほかに雑誌掲載されただけで単行本に収録されていない小説があり、そのいくつかの雑誌を探していました。
Wikipediaの情報によれば、その小説家は2000年代から2010年代のおよそ10年間のあいだに3つほどの雑誌に10本ほどの小説を発表していることになっていました。比較的最近の発行なら出版社のバックナンバーやアマゾンの在庫などで見つけることができました。その小説家は2017年以降はパタッと小説の発表がなくなっていて、いくら検索しても情報は出てきませんでした。しかし、よく調べてみるとWikipediaには載っていない過去の情報もあり、2010年前後に発行された2冊の雑誌だけが出版社のバックナンバーでもアマゾンの在庫などでも見つからず、あきらめかけていました。
単行本刊行されたものは何年経っても入手できますが、雑誌はどんどん更新されていくので、バックナンバーも限界があります。
図書館に行っても、保存されているのはせいぜい数年分でした。
あきらめかけたとき、ふとメルカリを覗いてみました。探していた、2010年前後に発行された2冊の雑誌のうち1冊が250円で売りに出ているのを見つけ、すぐに購入しました。
掲載されていた小説は傑作で、単行本になっているものより良かったくらいでした。
残るはあと1冊、定期的にメルカリをチェックする毎日です。

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