ブラック企業からのキャリア挽回2

MARCH卒業後、商品取引の営業から小さなweb制作会社の営業へ転職し、年齢は27歳になっていた。

27 歳にして年収400万以下。。。

「ああ、ボーナスが欲しい、貯金が全くできねーよ、これじゃ結婚どころかただ生きてるだけじゃねーか。」

頭の中は毎月のお金の計算ばかりしている状態だ。しかも、このくらいの年齢なるとやたらと結婚式ばかり呼ばれる。この収入で1回3万円のご祝儀と二次会の費用はかなりダメージは大きい。

めでたいことだとは思いつつも、何度金欠のため断ろうと思ったことか。いや、二次会は結構断ることも多かった。

ちなみにこの頃僕は一人暮らしをしていたのだが、極限まで追い込まれているというほどで無いにしても友人と遊んだり、飲み会にいったり、結婚式があったりとごく普通の生活をすると給料が残ることは無い。

平日の夜は飲み会などがなければ3食パックの冷凍うどんで節約、お菓子などは絶対に買わないという生活だった。

そんな生活から脱却できる生活を送りたいと2回目の転職活動を開始した。商品取引の営業時代のようにただテレアポをするだけの仕事から法人営業や企画などを一通り経験することで、新卒1年目くらいのビジネススキルはおそらく身についていたと思う。

僕はエージェントというエージェントに登録し、相談をしまくった。わかっていたことではあるもののエージェントに行くと自分の価値が非常に低いということを痛いほど感じる。

下には下がいるが、まずまず自分が下のほうにいるということがはっきりとわかる。大学までであれば平均以上の価値があったと思うが、このときの僕の価値は底辺、Fランクレベルだ。

エージェントは慈善事業ではなく、僕のレベルでも入れる企業を勧めてくる。そんな中でも僕はお花畑が抜けきらず、海外に行けるチャンスがある会社が良いとか、上場企業が良いとか、叶わぬ夢を追いかけていた。

制作会社の営業はちょうど管理体制が緩かったこともあり、サボりにサボりまくり、紹介される案件で少しでも良さそうなものは手当たり次第面接を受けた。おそらく50社くらいは面接したと思う。我ながらよくここまでサボって面接したと思う。

この2回目の転職活動、つまり3社目を選ぶ活動では結果的には5社から内定を貰うことが出来た。


内定獲得企業一覧

5社の内訳は以下だ。

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正直なところベストなものは無い。しかし今の僕のキャリアと実力ではこのくらいの会社が上限値だろうと、そしてこのまま転職活動を続けたところでこれ以上の会社から内定を得ることできない可能性もあるためこの5社から決めることに決めた。

転職先に求めること

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僕のような人間でもそれなりに頑張れば内定をもらえた訳だが、転職先に求めていたポイントは上記の4つだ。3つ目については脳みそお花畑だけと思うが、海外に住んでみたい、海外出張に行ってみたいという漠然とした憧れがあり、だからと言ってそのための努力をしているかというと何もしてないのでガキの戯事のような話しでもある。

この優先順位で考えたときに専門商社とシステム会社の2択となる訳だが、この2社についてもう少し詳しく掘り下げてみる。

■上場を目指す専門商社。後に実際に上場を果たす

提示年収は600万。商社は学生自体からの憧れで、自分のキャリアで採用してくれるところはそうそうない。しかも上場を目指しているというところも魅力。しかし商社の仕事が全くわからないこと、面接官は皆体育会系で1社目の雰囲気を感じたあたりが不安要素。ここは結構自分を取ろうと積極的だった。

■独立系システム会社(上場企業)

提示年収は450万。社員数は2千人超で、特定領域では業界トップであった。雰囲気は普通。システムなので2社目の経験は生かせること、海外にも支店がありあわよくば海外のチャンスもあるかもしれないところはプラス材料。5社の中で唯一退職金制度があったところもポイント

商社なんて受かる訳はない、僕は元々商社に憧れていたのではないか、そう何度も何度も自問自答をしたが、商社の業務のイメージがつかないこと、入ったら雰囲気が違いそうという不安と商社に入ると2社目と3社目のキャリアは全く一貫性がなくなることを恐れた。

商社がハマれば良いのだが、完全なるキャリアチェンジだ。もしはまらないと1社目から3社目から全く異なるキャリアで4社目となった場合に、苦しい転職活動になることは目に見えている。

悩みに悩んだが、システム会社に入社することを決意したのだった。

このシステム会社に入ったことが正解だったかはわからない。だけど失敗だったとは思わないのでそれなりに良い選択だったのだと思う。営業自体は非常に厳しく、プレッシャーも相当な時期もあった。

しかし残業代支給、住宅手当、ボーナスもあり、退職金制度もある。これだけで十分満足に思ったし、やっと普通の社会人に仲間入りできたと実感することが出来た。

そこそこの大学を出て就職した人からすれば当たり前すぎる内容でも僕からすれば嬉しくて仕方なかった。

同僚もそれなりの学歴と、それなりの企業から転職してきており、そういう同僚に囲まれているだけでも満足できてしまったのだ。

人間どのような環境にいるかで、感じる幸せは違う。僕の仕事や会社に感じる幸せのレベルは非常に低いものだったと思う。きっと新卒から良い会社、大きい会社に入り順調にキャリアを形成していけたら全く違う価値観であったと思う。

この3社目で僕はようやく普通の社会人としてのスタートラインに立てた。大学を卒業して5年。ずいぶんと周回遅れになってしまい、それまでの自分の選択には後悔することだらけだ。

だけど、時間をかければ諦めなければある程度までは遅れながらも取り返すことはできる。だから何があっても必死に諦めず食らいついて粘り強く生きていくことで開けるものがあるのだと思う。ある程度までは。



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