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創作大賞2023落選、そして文學界新人賞への応募へ。

標題のとおり、今年の晩春のころにnote創作大賞に応募した作品『パッシブ・ノベル(創作大賞バージョン)』は、選考を通りませんでした。残念ですが、仕方ありません。

さてさて。でもそうも言ってはいられず、『文學界新人賞』に応募する作品を仕上げ、応募しました。先週土曜日の朝のことです。

『文學界新人賞』の原稿は、5月中頃より始動しており、9月16日に応募ですから、およそ4か月かかったということです。その間に、家庭の問題のために20000字超えの資料を作成して二、三の団体と面談したり、国際ロマンス詐欺を働いていると思われる詐欺師とやりとりしてしまったり、知り合いから声をかけて頂いて、少しのあいだ働いていたりなどしました。まあ、定職の身に無く、家事と介護が基本(まあその他にも大きな問題はあるのですが)ですから、仕事が気にかかって執筆に頭がまわらない、なんてことにはなりにくい。それがアドバンテージかなあと一瞬思えたのだけれど、そのアドバンテージを帳消しにする災難が家庭にあったりもするので、そうでもないのかもしれません。

新人賞の規定は、70枚から150枚の作品(純文学)となっています。締め切りは今月末。今回書いたものの分量は、117枚です。今までに書いたもののなかでもっとも枚数の多い作品です。これまでだと、86~7枚のエンタメ作品がいちばん長かったはず。未知の道のりでしたが、この分量だとこれだけ厚みを持たせられるのか、という気づきとおもしろさもありました。

今回はエンタメを書くときと違って、「コントロール」より「表出」だ、という気持ちで執筆に向かいました。そのぶん、初稿があがって読み返すと、いろいろと整合性の取れない部分、喩えるなら、右へ行っていたのに次の段落では左にいる、みたいなことが起こっていました。しかも、あたまがある種のそういう自由モードから抜けきらないので、読み返しても気づけないし、そればかりか、取り立てるほどの問題はないように読めてしまう。これには困りました。

それでも時間とともに、そして暑さのやわらぎとともに(エアコン無し)、直しや推敲ができるようになってきました。切ったり加えたり入れ替えたりができた。そうやって、今の段階までたどり着きました。

そうそう、今夏は僕が生きてきた中でももっとも暑い夏でしたから(エアコン無し(二度目))、早朝に起床して原稿に向っていました。昼間も夜もちょっと無理でした。早いときには朝の3時台。遅いときには5時半には起きて、7時までを目安に書いていたんです。暑くて眠りだって浅いですから、起きようと思えばすぐに起きれました。で、最近、涼しくなったので夜更かしするとすぐに今まで通りの7時前に起床するリズムに戻りました。びっくりするくらい容易にです。つまり僕は本来夜型なんだっていうことなんでしょうね。

原稿の話に戻りますが、今年の文學界新人賞は市川沙央さんの『ハンチバック』でした。ご存じの通り、その後、本作品は芥川賞を受賞。これが意味するところはすぐにピンくるものでしょう。新人賞を取りたかったら、その人は芥川賞を取るくらいの意気込みと仕事量で望まないと勝負にならないのだということではないでしょうか。

で、今回の芥川賞に対する選評を解説したネット記事を読んだところ、文章や文体の技術の高さが重点的にみられていたようです。僕の最終段階の原稿も、そういった視点から読み直してみるべきかもしれないと思い、追い込みをしました。ただ、もうかなり煮詰まってしまっていたのも事実。いじるところがよくわからなくなってきていた。文章の技術的なところを意識しながらやるのならば、次の作品でやったほうがいいような気がしてきます。まあ、そうはいっても、やるだけやったのですが。

今回の117枚の長い短編は、北海道ローカルな話とそうではない話が混淆しているような話です。中間発表は来年の『文學界4月号』、受賞作決定の発表はそのつぎの『文學界5月号』だそうです。

この分量で大変だったのは直しと推敲です。白状しますが、これはナメていました。やる量が単純に増えていますし、執筆中の姿勢としてもあとさき考えずやったところがありますし、3、4日で終わるかなと考えていたのが、二週間かかったのでした。かなり余裕をもったスケジュールだったのに、もう締め切りまで2週間ですから、実は危なかったほうだったかもしれない。執筆段階でも、7/15には上げるつもりだったのです。それが8月中旬にまでずれこみました。相当余裕をみたのに、ぎりぎりですからね、初めてのチャレンジのときは想定に収まらなかったりするぞ、という経験を積んだことにもなりましたねえ。

やっと一仕事終えたので、10日間くらいは録画したドラマを観たり読書したりして過ごします。睡眠もよくとりたいです。それから、次はどこに応募しようか考えて、そのために書いていくことになるでしょう。もっとパフォーマンスを上げたいのだけれども、たぶん経験を積んでいかないと、いきなりスピードが上がることはないでしょうね。でもって、無理にそれをやったら、粗製濫造になってしまう。

というところです。

人事を尽くして天命を待つ。この件に関しては、そういった段階です。また頭を切り替えて、体調をみながら創作の挑戦を続けていきたいです。

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