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一文字ずつ消えていく世界でも、割となんとかなる 『残像に口紅を』


『残像に口紅を』筒井康隆

「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆく。愛するものを失うことは、とても哀しい…。言語が消滅するなかで、執筆し、飲食し、講演し、交情する小説家を描き、その後の著者自身の断筆状況を予感させる、究極の実験的長篇小説。



五十音の一文字ずつなくなっていき、その一文字が使われている名前のものも消えていく世界のお話です。
「あ」がなくなると「あなた」「愛」などが消えます。
すぐに消失するのではなく、かすかに記憶に残っている感覚でじわじわと消えていき、そもそも存在していなかったかのような世界になります。

このアイディアを思いついたのがまずすごいと思いました。
そして半分ほど消えても、長めの文章が成り立っていて、作者様の語彙力に圧巻しました。

主人公が小説家のためか論説調で会話をするので、哲学書を読んでいる気分にもなりました。笑

実を言うと、半分を過ぎたあたりで飽きてしまって、パラパラめくるようになり…
最後の方まで飛ばしてしまいました。
この世界観はすごいと思ったのですが、ストーリーには飽きてしまって…。
話題の小説なのに、申し訳ない気持ちでいっぱいになったのですが、感想や口コミを検索してみたところ、私と同じ意見の方がチラホラといました😅
分析や研究が好きな方はハマるように感じます。

アメトークの読書大好き芸人で気になってからやっと読了。
帯には2017年と書かれていますね。そんな前のことだったのかと驚きを隠せない…
そして本の中に破ってから読む部分があるから紙で読んだ方がいい、とカズレーザーさんが言っていた気がするのですが、違う本だったかな…?
(分かるという方、教えてください🙇‍♂️)

また、最近はTikTokでも見かけたと思ったら、帯にも「TikTokで話題」との文言。
勢いがすごいですね。

そして、作者様を調べてみたらあの『時をかける少女』を書いた方だと知って、またも驚き。子供の頃に読みました。
さらにホリプロ所属。

読書の秋にもなりましたし、アメトークで読書大好き芸人を見たいなぁ。

この本が気になった方はぜひ読んでみて下さい♪


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