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一文字ずつ消えていく世界でも、割となんとかなる 『残像に口紅を』

一文字ずつ消えていく世界でも、割となんとかなる 『残像に口紅を』

『残像に口紅を』筒井康隆

「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆく。愛するものを失うことは、とても哀しい…。言語が消滅するなかで、執筆し、飲食し、講演し、交情する小説家を描き、その後の著者自身の断筆状況を予感させる、究極の実験的長篇小説。

五十音の一文字ずつなくなっていき、その一文字が使われている名前のものも消えていく世界のお

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