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「違い」によって定義される自分 「トロールズミュージック⭐︎パワー」感想

この記事はネタバレ要素を含んでいます。


3DCGアニメーションで有名なドリームワークスのミュージカルアニメーション「トロールズ」の最新作。
私は前作「トロールズ」を視聴せず行きましたが冒頭に軽い説明があり、世界観説明もしてくれるので気にならず見ることができました。


おすすめしたい人

LEGO® ムービー好き
 要素としてはにLEGO® ムービー近いものがあります。CGによって作り込まれた世界を舞台に世界を変えようとする敵に立ち向かうため冒険をする点はほぼ同じでコメディ要素を少しミュージカル要素に振った印象です。楽しい映画ながらもメッセージ性があり楽しめる。決して子供騙しの映画ではないと感じました。

途中で映画に飽きてしまうお子さん
 ミュージカルアドベンチャーということもあり、途中にミュージカルが挟まれながら進んで行きますが、どんどん展開が変わっていくためとにかく飽きにくい作品になっています。
 CGによって作り込まれた世界観も素晴らしく感受性が高い子供に取っては大人以上に刺激的な映画体験になるかもしれせん。ミュージカルシーンではトロールズオリジナルの楽曲はもちろん「One More Time」などのヒット曲もあり、大人も楽しめる作品になっており家族での映画鑑賞にもおすすめです。


以下ネタバレ注意


「トロールズミュージック⭐︎パワー」のメッセージ

 この映画のテーマは「違い」でしょう。人と人との違いに対してどのように向き合うかがテーマだと感じました。物語でも描かれていたように私たちは「違い」と「同じ」を使い分けています。それぞれ文化の異なる国に分かれていますが「同じ」文化を持つ国の中でもそれぞれ違う。
一方で「違う」国と戦うとなれば「同じ」のもとで団結しようとする。

映画の中でも様々な違いに対する向き合い方が描かれていました。

違いを認め違いによる争いを起こさないために袂を分かつ(物語開始直後の世界)

違いを否定し一つの力の下で共同体となる。(ロックによる統一を目指すバーブ)

違いながらも一つの共同体を目指す。(冒険を始めるポピー)

自らの違いを維持するため他の違いを淘汰する。(賞金稼ぎトロール)

違いによって自分自身を定義する。(ファンクトロール)

これまでの秩序を破壊し、トロールであるという共通点によって一つになる。(物語ラスト)

「違い」を認めることは大切なことです。違うからこそハーモニーを生み出すことができる。しかし一方で自分と「同じ」人はいない中で生きていくことは難しい。

クーパー(ファンク族生まれポップ育ち)が同族を求めたように私たちは不安から同族を求め「同じ」ことによって安心する。しかし「同じ」中でも違いがあるから生きにくさを覚える。

家族、国、人種などによって起きる問題は「違い」によって起きるのではなく「同じ」であろうとすることによって起きているのかもしれません。


おわりに

トロールたちは6本の弦(これまでの文化や秩序そして音楽そのもの)を破壊しました。そして心臓の音(生きているということ)から音楽を奏で、他人との違いによって自らの色を取り戻しました。

私たちにとっての6本の弦とは何か、そしてそれを破壊し、自分の中にある音楽(違い)によって自らを定義することができるのか私にはわかりません。

けれど、他人と違うことによって個性が生まれるということを考えながら生きていきたいと思いました。

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