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ボローニャ旅行記4日目~かけがえのないプレゼント

1 はじめに


ボンジョルノ! 今回が、いよいよボローニャ旅行最終回。ボリューミーであっという間の時間が終わってしまうなんて信じられない!


今回は、4日目の感想だけでなく、4日間を振り返って感じたことについても記しておきたい。


2 教会の見学


4月30日、朝8時半。ホテルで最後の朝食を食べてチェックアウト。いよいよ旅行最終日が始まった。天気は朝こそ曇っていたが、概ね晴れていた。ちなみに朝食の席では、英国の障害者支援機器に関する情報交換の話になり、真しろは聞き役に徹していた。


最終日も基本的には街探検が中心となった。この日の主な目的地は、San Luca教会という古い教会だった。教会へは、街を走る小さな電車で向かった。


この教会は古いだけでなく、キリスト教関連の銅像などを触ることができる場所があった。真しろたちは教会にあるさまざまな物を触りながら雰囲気を楽しんだ。この日は日曜日だったので、ちょうどミサも行われていて、教会音楽が耳に心地良かった。実はヨーロッパに来てからそんなに教会や大聖堂に入っていないので、貴重な経験となった。サムネールの画像はこの教会で撮影した。


3 最後のランチと街探検


ランチのレストランまでは、何段もの階段を降りて徒歩で向かった。階段はかなり急で長かったので、意外と体力を使い、ちょうどよい空腹になった。最後のランチはゆっくりと定番のお料理をいただきながら世間話をした。1番盛り上がったのはペットの話だった。


街探検最後のパートでは、世界一長いアーケード街と言われている場所を通ったり、現代美術館の中に入ったり、お土産屋さんを回ったり、総復習のような形で街の中心地を歩いた。この街にはたくさんトンネルがあることを改めて認識させられる。ある意味、ボローニャはトンネルの街と言ってもいいだろう。散歩をしている間にも時間は過ぎていって、とうとうホテルで荷物を引き取って空港へ向かう時間になった。


4 帰路


ガイドさんとはボローニャ空港でお別れ。最後は情熱的にハグをされて、少し泣きそうになってしまった。


行きと同様、空港の誘導案内が予約されていたので、証明書を見せて、誘導担当の人と機内へ向かった。ちなみに行きもそうだったが、真しろの場合はイギリス人ではないので、出国するときにはビザのチェックも必要だった。


機内では、参加者の方々と旅について振り返ったり、お互いの国の話をしたりした。英国では次の日の5月1日は祝日らしく、皆さんはご家族と過ごされるようだ。Stansted Airportには行きと同様1時間半ほどで到着した。他の参加者と別れのあいさつをする余裕もなく、慌ただしくそれぞれの道へみんな帰っていった。ちなみに、英国へ入国する際には、パスポート以外に、レジデンスカードと呼ばれる物(BRP カード)が必要なので、忘れないように携帯しておくことが推奨されている。


真しろは、終電が終わってしまっていたため、タクシーで修行場(大学)へ帰ることにした。外では、この旅の終わりを悲しむように、空が泣いていた。


5 総括


今回の4日間の旅は、控えめに言って忘れられない思い出となった。その理由は大きく3つ。


1つは、美味しい食べ物とたくさん出会うことができたからだ。イタリア、特にボローニャが美食の街なのは知っていたが、実際にたくさんの物を食べて、食べるもの全てが本当に美味しく、どの味も舌に残った。イタリアには他にも素敵な街がたくさんあると聞いたので渡英している間に、そして生きている間に、また違う街にも訪れたくなった。


2つ目は、特別支援学校時代の修学旅行や移動教室を除き、こんなにもアクセシブルでバリアフリーな旅行に参加したのは初めてだったからだ。今まで家族や友人と旅行に行ったり、何らかのツアーで旅行に行ったりしたけれど、どうしても自分だけ街のことが分らないまま観光地をあとにしたり、景色を楽しむ人たちを見て旅が終わってしまったりしたことが多かった。こんなにもいろいろな物を触ったり、街の地図を確認できたり、五感で街を探検したり、忘れられない体験をたくさんできた旅は、自分の人生の中ではほぼ初めてだった。たくさん物を触りすぎて頭の中の情報があふれそうになることもあるぐらいボリューミーだったが、それほどに自分がこの旅行でさまざまなことを吸収できたことになる。特に、旅の途中、楽しめないんじゃないかと不安になることがなく、ノンストレスだったことが何より楽しめたポイントの1つだった。これもひとえに、ガイドさんたちや旅行を企画してくださった、Seableの皆さん、そして街の皆さんのおかげである。


そして3つ目は、英国の地域の団体旅行に飛び込みで参加するという、渡英前は予想していなかったことに挑戦できたからだ。正直、自分の誕生日プレゼントとしてちょっと参加してみようと軽い気持ちで申し込んではみたものの、実際楽しめるのかとか、日本語が通じない中で本当に4日間問題もなくやっていけるのかとか、物が盗まれないかとか、不安なことが尽きず、前日から緊張していた。しかしこの旅は、予想以上に自分の誕生日プレゼントにふさわしい物になったし、イングランドに住む他の視覚障害のある方々とも交流を深めるきっかけになった。今回の旅は、休暇を楽しむ旅行である以上に、真しろにとって大きな挑戦の旅となり、その旅を無事に楽しむことができたのは、真しろにとって大きな経験となった。高級車にも、おいしい料理にも、素晴らしい名画にも代えがたい、だれにも取られない財産になった。


6 おわりに


約4回にわたってお送りしてきたボローニャ旅行記もこれで完結となる。繰り返しになるが、こんなアクセシブルでバリアフリーで充実した旅行に参加できたことは自分にとって大切な思い出になった。真しろの故郷である日本でも、最近バリアフリーな旅行に関心が集まっているように思われるが、このようなツアーや旅行のスタイルがますます増えていくことを願っている。改めて、こんな素敵な物をくれた全ての皆さんに感謝したい。
I want to say many thanks for Seable!


それでは今日はこの辺で。Have a nice day!

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