見出し画像

人生の先輩からの祝辞-2021年春-

あっという間にピンクに染まった人通りも、
同じくあっという間に黄緑の葉が包んでいく。

帰り道にザッと音立てて吹く風が
瞬く間にピンクの欠片を散りばめた。

その景色が綺麗で、綺麗で、
普段なら急ぎ足で渡る青信号も
気付いたらチカチカと私たちを急かす。

でも今だけはと、それを迷わず見送った。



あの欠片はどこへ流れていくんだろう。


すぐそばかもしれないし、
そこの家の庭かもしれない。

はたまた区を跨いで、
いつの間にか県をも跨ぐかもしれない。

どこへ流れ着くか分からないけど、
それを恐れていては踏み出せない。


近所の小学校では
今日入学式だったようだ。

校門の前では
1つしかない"入学式"の立て看板に
多くの親子の列がなされていた。

恩師はこう言っていた。

「1つじゃなくて、いくつも用意したらいい」

恩師の学校では、
この春、密を避けるために
多くの立て看板を用意するらしい。


ピカピカのランドセルに、
気慣れない正装。

君たちの未来は未だ白い物に覆われて
自由には発言させてくれないだろう。

それでもこの先にあるものは1つだけじゃない。

必要ならばいくつも用意したらいい。

進むべき道は1本ではなく、
無限にある。

振り返ると平坦な道はなく、
凸凹だらけの坂道だらけ。

後悔が先に起こることはない。

今は大きく重く感じるピカピカのランドセルも
あっという間にペシャンコに。


さあ臆することなく歩んでいこう。

固定概念を覆せるくらいの無限を感じて、
また次の春を迎えよう。

私をサポート?!素直にありがとうございます。あなたのサポートは、真っ赤で、真っ黒で、時に真っ青なましろが真っ白になれるよう、note内で活かされ続けます。