奏心声音⑧
鶯の子供だちが
しっかりと美しく春を奏でる今日この頃
僕は夕方に少女と散歩することが日課になっている
心地よい風と
目に映る風景で季節を感じる少女の瞳は
毎日同じコースを歩いていても輝いている
何を思いついたのか
少女が僕の顔をのぞきこんでこう伝えてきた
「色鉛筆が欲しい」
綺麗な緑の葉っぱを指さしながら
色を塗る仕草
キラキラとした笑顔で
足をばたつかせ
「早く!早く!」
「もちろん!行こう!」
少女の小さな手を握り
春風を浴びながら踊る若葉のトンネルをくぐり
少女の思い描く色を求めに僕は走る
どんな春を描いてくれるんだろう
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