#26 私がトルコでずっとは暮らせないなと思った理由
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#26 私がトルコでずっとは暮らせないなと思った理由

トルコは魅惑の国です。

優しい人が多く、素晴らしい食や文化があります。飲食の清潔観や他人への気遣いは日本と感覚が似ているなと感じますし、勝手にイメージしていた"ぼったくり"は意外なほどありませんでした。

特にボスポラス海峡を挟んでヨーロッパとアジアにまたがるイスタンブールには、トルコの魅力がこれでもかと詰まっています。

イスタンブールはふらっと行った外国人がなんの不便もなく暮らせる街。

アイラン、バクラヴァ、鯖サンド。お気に入りの食べ物がいっぱい見つかりました。はじめての明確なイスラム教圏でしたが、時折響いてくるアザーンもとても趣深く感じました。

そんな魅力を語ろうと思えば一日中語れるトルコですが移住したいかと考えると「ずっとは暮らせないかな」と思います。

その理由を自問自答してみていくつか思ったことがあるので、今回は書き止めておこうと思います。

※この記事はあくまで私的な見解です


男女の住み分けが自然になされている

マレーシアを除くと、これが初めて国教をイスラム教としている国での滞在でした。

マレーシアでは住んでいた場所柄か1日5回の礼拝を知らせるアザーンは聞こえなかったし、ヒジャブを被っている女性はいてもイスラム男性が被っているピタッとした白い帽子(トピー)を被っている人は滅多に見かけませんでした。

豚肉禁食のルールをたまに感じるくらいで、基本多宗教・多民族国家なので生活の中で宗教を意識するということがなかったのです。

この多民族・多宗教が当たり前に混在した社会がとても面白くて、いまでは東南アジアの中で移住するならマレーシアかシンガポール!と思うほどになったのですが、その話は割愛します。(以下関連リンク)


さて、それではトルコはどうでしょうか。

トルコは『世俗主義=宗教の影響を受けない政治や生活の自由』を標榜していて、つまりイスラム教的なことを必ずしも強制しないという社会です。

街中にはヒジャブを被る女性と被らない女性が半々くらい。とは言っても街全体の雰囲気が仏教かキリスト教かイスラム教かといえば、明らかにイスラム教とわかるくらいではあります。

そんなトルコでは男性しかみかけないエリアというものが多々ありました。

例えばロカンタと呼ばれる大衆食堂には、男性しかいません。

店内に1人で食べにくる女性客をみたことがありません。テイクアウトする私ですら最初は物珍しげに見られました。スタッフもほぼ男性で、3ヶ月の滞在中に遭遇した女性スタッフはある店舗で取り分けしてくれたおばちゃんたった1人だけ。

また、とあるハンバーガーショップに行ったとき。

店内には若者男性グループがいます。日本の高校生や大学生が学校帰りにマックによる的なアレです。しかし、女子のグループというものを極端に街中で見かけない。買い食いする男子、井戸端会議よろしく路肩で群れる男性達は街中にたくさんいるのに。

たまに見かける女性陣は、カップルだったり、友人同士で服屋でショッピングしていたり。そのくらいです。

滞在中一度だけカフェで1人で佇む女性を見かけました。テラス席で優雅にコーヒーを飲んでいた彼女はヒジャブを被っていたので地元の方だと思いましたが、今思えば外国の方だったのかも。

そう、トルコで女性がひとりで何かをしているとき、それは外国人であることが多く、地元の女性たちはササッと街中を歩いて通り過ぎるような姿しかみかけないのです。

女性はこう、男性はこう、という暗黙の何かがあるように感じました。イスラム教圏では当たり前なのかもしれませんが。

もちろん日本や韓国でも男女の好むエリアの違いというものはありますし、地元女性が楽しむエリアを私が見つけられなかっただけかもしれません。

しかしラマダン(イスラムの断食月)のイフタル(日没後の最初の食事)でお馴染みのピデ(ピザのようなパン)を買うのが何故か男性ばかりだったり。

『女性は家庭で、男性は外で』のような昨今の日本が排除しようとしている男女の役割分担を、トルコではよりはっきりと感じました。

本当は男女平等って「選択できる自由があること」が重要で、男女の違いによる役割のあれこれは男と女が根本的に変わらない以上普通のことだと思うのですが、流石にピザを買うのが男性か女性かなんて本気でどうでもいいと思う。


宗教と社会の軋轢を見ないふりしてやり過ごしている

上記のような男性はこう、女性はこうという暗黙の了解は欧米や日本で過ごす人からみれば時代に逆行しているようにも思えます。

ジェンダーの在り方に正解はひとつではないので、これが良いか悪いかという議論はさておき。

しかし私がひとつトルコで許せないことがあるとすれば、それは男性達の二面性です。手のひら返し。

商売をする多くのトルコ人男性は、甘い言葉や媚びへつらうように勧誘します。ところが男性エリア(ロカンタなど)にひとりで入ろうものなら珍獣をみるような目でみる(人もいる)。まぁけれど決して指摘はされません。

つまり"外国人の女性だから"許されたのです。

エリアによって違うだろうし、基本人々は優しいです。しかしトルコ人の根本(もはや文化)には男女区別の意識があって、それが見た目外国人の私に適用されていないだけだということをひしひしと感じました。

トルコは共和国化以降「世俗主義」を採用していますが実際にはそう割り切れていない社会のように感じます。

本音と建前、信仰と社会がごっちゃごちゃという感じ。聞きかじった程度ですが、保守的なイスラム教徒と世俗主義者が折り合いをつけることに苦労しているようです。

男性優位社会はトルコに限ったことではありませんが、それでも身内女性に厳しく接している様を垣間みて恐いと思うこともありました。

(ちょうど滞在中に見つけた記事→コロナ対策で出所の夫が妻を殺害、DV多発 男性優位社会のトルコ、女性保護の条約脱退も | 2021/4/15 - 47NEWS https://nordot.app/752753542861127680


もし私がトルコに移住したとしても、トルコ人にはなれません。何年住もうが"移住してきた外国人"です。

トルコ人の女性達との間に明らかに溝ができる予感がしました。

文化を理解していない人に対して甘くなったり譲歩したりという優しさは理解できても、上っ面の手のひら返しは到底受け入れがたいものです。

私がトルコでずっとは暮らせないなと思ったのは、生活の端々で男女の住み分けを感じたこと。男性達の意識の底にある差別意識を根強く感じたこと。これが理由です。

トルコの文化、食、人の気質については素晴らしいと、もう一度強く言っておきます。

この変化の激しい時代の中で、数年後に訪れたトルコにどんな変化があるのか、いまからとても興味深いです。

関連リンク

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mugi

数ヶ月ずつ滞在して「どの国に住みたいか」を考える自由研究をしているフリーランスの考察・感想です。このnoteは移住計画の頭の中を綴っています。よろしくお願いします。

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