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『新!店長がバカすぎて』
帯通り、続編でこれほどまでの期待以上の面白さがあるとは。
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『新!店長がバカすぎて』早見和真
宮崎の山奥に異動になっていた山本猛元店長が、 三年ぶりに、吉祥寺本店に店長として復帰した。
張り切る店長だが、相変わらず、人を苛立たせる天才だ。しかし京子は、心の中で「お帰りなさい」とつぶやいた。
そんな中、本や書店を取り巻く環境はますます厳しくなってきたが、 それでも京子は、新人作家の才能に出逢い、打ちのめされ、 好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っています。
スタッフの磯田さんや、覆面作家だった大西先生や神楽坂で小料理屋を営む親父さんや、優しき先輩たちに、応援を受けながら――。
小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く問い直す、第二弾。
(Amazonより)
前作同様、イラっとするのにスイスイ読めてしまう中毒性はそのままに、前作よりもさらに、他者への感情を経由しての自身の内省がより濃く描かれていた気がする。
また、出版不況と言われる時代、不要不急なものが後回しにされる時代に、作家や書店員というわざわざ遠回しに感情の機微を描き、わざわざ紙媒体という面倒なものを薦めることを生業とすることへの矜持と信念が何度も伝わってきた。
物語の視点、物語に出てくる作品の視点、物語に出てくる作品をオマージュした作品の視点、とさまざまな角度で構成されているのが面白いし、最終章で効いてくるところもヤられた。
仕事小説としての読み応えと物語の純粋な面白さどちらも楽しめる傑作。
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