『ドミノin上海』
久しぶりのこの感じ。
『ドミノin上海』恩田陸
イグアナが料理されれば盗賊団が上海に押し寄せ、そこに無双の甘党が上陸。風水師が二色に塗り分けられ、ホラー映画の巨匠がむせび泣くと秘宝『蝙蝠』の争奪戦が始まった!革ジャンの美青年がカプチーノをオーダー、一瞬で10万ドルが吹き飛んだら、上海猛牛号で渋滞をすりぬけ、まぁとにかく寿司喰寧。歯が命のイケメン警察署長が独走し、青年が霊感に覚醒したとき、パンダが街を蹂躙する!張り巡らされた魔術に酔いしれよ!圧巻のエンタテインメント。(Amazonより)
前作『ドミノ』も好きで、ずっと読みたかったやつ。
心情もメッセージ性も時代背景も全部無視して、作品を読み進める純粋なシンプルな楽しさ以外はなんにも考える必要がないこの感じ、めちゃくちゃ楽しい。
膨大な数の人物が登場し、どんどん視点が切り替わっていき、無関係のように思えていたシーンがだんだんと繋がりを見せていく。そして、極限までそれぞれの物語が膨れ上がった後に、収斂していく後半はやはり見事。ジェットコースターのように高さと勢いをつけたあとに思いっきり加速していく感じ。
また装丁や登場人物の容姿がコミカルで、上海を舞台にしたこのドタバタ劇に妙に合っていた。
前作と登場人物かぶっているけど忘れちゃったのでもう一度読み直そうかな。
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