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対話的で創造的な学びの場をつくるための教科書『ワークショップデザイン論(第2版)』

参加する人が思わず、楽しそうに話し出す。それでいて、気づきや学びに溢れた時間。そんな学びと楽しさに溢れた「場」をつくりたい。そんな人に紹介するのが、この本です。

本書は、ワークショップ実践者向けに、アカデミックな知見と著者らの実践による知見を踏まえて、何かを経験しながら学ぶ(経験学習)の場である「ワークショップ」の作り方、実践ノウハウを書かれた一冊です。

自分(間瀬)はワークショップを企画したり、運営したりということを仕事にしています。
そんな自分も、ワークショップの企画書を書いたり、タイムラインを考えたりするのに何度も躓き、その度にこの本を読み返し、学びを得ていました。

2013年に初版、2021年に第2版

この本は初版が2013年に出版され、2021年に第2版が出ました。
第2版には初版にはない、ファシリーションについての研究知見が大幅に加筆されています。今から本書を手に取る人には、初版ではなく第2版をおすすめします。

書かれているは、主に「ワークショップとは」「ワークショップデザインの実践ノウハウ(企画・運営・評価のノウハウ)」「ワークショップデザイン実践者を育てるための知恵」などの内容。

「そもそも、ワークショップってなんだ」
「どうしたら、ワークショップを作れるのか」
「どうしたら、自分のワークショップデザインが上手くなるのか」
そう考えてる人におすすめの内容が書かれています。

もっと早くに会いたかった一冊。

書籍の内容は、ぜひ本書を手に取って確かめていただけたらと思います。
この本を読んだ自分の感想としては、ただ一言。「もっと早くに出会いたかった」です。

自分がワークショップデザインの世界に足を踏み入れた初めての体験は大学生の時。
大学同期が始めたプロジェクトに協力する中で、ワークショップを作ることを任されたのがきっかけでした。当然、当時は本書について知りません。見よう見まねで、過去に自分が参加した「ワークショップらしい」体験の記憶やその時の印象を総動員して、「それっぽい」ものを作りました。

その後、学びの場づくりの面白さに惹かれて、開催期間が1ヶ月程度のワークショップ(しかもアメリカで開催)に参加したり、自らも学びの場づくりを(仕事の一部として)本格的に行うようになりました。
そして、いつの間にか365日のほとんどをワークショップデザインに費やす日々を送る人間になっていました。

自分でつけた記録を振り返ると昨年・2020年は通算で65回以上のワークショップを実践しており、6日に1度のペースでワークショップを行っていました。

本書を初めて手に取ったのは、確か3年前。ワークショップデザインの先輩実践者に教えてもらい、読みました。
もう少し前にこの本に出会っていたら、自分の進路は違うものになっていたんじゃないか、と思います。

・・・もしかしたら、この本がきっかけで大学院に進学し、「学習環境デザイン」の研究をしていたかもしれません。

学びの場づくりの実践者にこそ、おすすめしたい。

すみません、自分のことをちょっと書き過ぎてしまいました。

「急にワークショップを作らないといけなくなった」という人はそんなにいないかもしれませんが、何らかの形で学校や企業、地域などで学びの場づくりに関わっている人にぜひ本書を手に取って欲しいです。

近年、ワークショップは一部の人々にとっては聞き馴染みのある言葉になりました。
一方で、「これはワークショップと言えるものか・・・?」というものも出回る玉石混交の状態とも言えます。

だからこそ、何らかの理由で「ワークショップを作る(作らないといけない)」人にこそ、ぜひ本書で「ワークショップとは」「ワークショップデザインのノウハウ」を知って欲しいと思います。

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