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5度目の夏(エッセイ)

息子が生まれて5年。
夏生まれの彼なので一緒にいるところで5度目の夏を迎える。

生まれてきた時はNICU 新生児特定集中治療室にいた彼も今では殆ど風邪もひかない健康優良児になった。

同年代では体も大きく、そろそろ抱っこもきつい。

それが5度目の夏。

最近写真に中々写ってくれない息子氏

後何度夏を迎えるか

自分の子供の時のことを思い出してみると、親と共に夏を過ごしたのは18くらいまでだったような気がする。
大学に入ってからは帰るのも23時過ぎ。まともに家に居なかったし、そこまで何かを話す時間も親と持たなかった。

そう考えると彼と後何度夏を迎えるのだろうとふと考えてしまう。
自分換算では13回。もうすぐ三分の一が終わるのかと思うと腹立たしい息子もなんだか可愛く見えてくるのだから親も勝手だなあと思う。

息子に厳しい自分。厳しくされた自分

僕は多分息子に厳しい。
親にされて嫌だったことが親になって必要悪のように感じているし、日に一度はイラついている。
声を荒げないよう静かに怒ってる時が一番彼からしたら怖いのだろう。
声が出なくなって、お母さんのところにそっといく息子の姿を何度となく見てはまた苛立つを繰り返している。(いい加減大人にならないといけないなぁと思う)

そんな息子と唯一心を通わせられるのが最近二人で出かける「お出かけイベント」だ

大人になろうとする息子。子供になろうとする父

彼は二人でお出かけになると急に大人びる。
母がいないのはもちろんだが、自分でできることはなんでもできるし、道路に飛び出すとか、奇声をあげて泣くとか、年相応の行動をせず、しっかりと僕の話を聞いて、理解しようとし、また自分の意思を伝えてくる。

僕は僕で自分が楽しめるところにしか行きたくないので子供みたいになる。
道路にお花が咲いていれば、その花を見るためだけに自転車を止めたり、虫を観察したりしている。

そんな僕に付き添ってくれてはなんでそれが面白いのかを聞いてくれる息子がとても可愛らしい。

おでかけの一瞬がなんだかとても愛おしく感じる。

渡したいもの

僕は僕としてこんな思い出を忘れたり、思い出したりしながら年を重ねていくのだと思う。

願わくば息子が今日父と共に感じた自然の匂いや、音。二人でサウナに入った暑さや食べたアイスの美味しさを覚えてくれてれば幸せだなと思う。

いつも怒ってばかりでごめんね。またどっか楽しいところにいこーね。

明日こそはそんな気持ちを伝えるのだ。

まさよ

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