見出し画像

8月1日(火)「未利用魚?・津本式究極の血抜き」

今日の豊田は曇りのち晴れ。
最低気温は25℃、最高気温は37℃迄上昇。
引き続き、猛烈な暑さが続いてます。
台風6号は沖縄付近のアト上海近辺に上陸予定のようですが、太平洋高気圧が強過ぎて、台風も日本列島に来られないんでしょうねぇ。ソレはソレで、異常だ…。
今日から8月(葉月)、まだまだ暑い夏になりそうです。さて、

昨日は、「醗酵飲料(日本酒)・東一(あずまいち)」について書いてみましたが、如何でござりましたでしょうか?今日は「未利用魚?・津本式究極の血抜き」について書いて行きたいと思います(冒頭画像はコチラから拝借しました)。

津本式究極の血抜き。
まぁ、釣りの好きなヒトや水産関係者や飲食店関係者の中には知っているヒト、実践しているヒトはある程度いるかと思いますが、一般のヒトでこの言葉を聞いたコトのあるヒトは然程多くはないのではないかと推察します。
この津本式究極の血抜きについては、このブログの最初の頃の「基本コンセプト(番外編①)『熟成と冷凍』」のトコロでちょっと書いていましたが、今回はもう少し詳しく。

自分がコレを知ったのは約5年ホド前に見た津本さんのyoutube動画で、でした。いやはや、ホント衝撃的でしたねぇ。前にも書きましたが、従来はサカナから血を抜くと言えば活きた魚でないと出来ないと思われていたワケですが、津本さんはスーパー等で買ったサカナなんかでも、ホースやノズル等の水圧を使って血を押し出すコトで血抜きをすると言う、良く考えてみれば当たり前と言えば当たり前なんだけれども、ソレを思い付いて実践したワケです。
この血抜き方法の生みの親である津本光弘さんは、元々は大阪出身のサーファーで、サーフィンが好き過ぎて宮崎に移住、その宮崎にある長谷川水産で働く、ある意味魚屋さんの一介の社員です。この方法を思い付いただけではなく、それ迄魚の熟成はプロにしか出来ないと思われていたのですが、種々の工夫を凝らして一般人でも手軽に?サカナの熟成が出来るようにして、その血抜き方法や熟成のヤリ方等をyoutubeで公開した、と言うワケです。
更に津本さんがスゴいのは、道具メーカー共同してと血抜きの為のノズル、刃物、その他サカナ捌き用道具等の開発・販売を手掛けたり、ルアーマガジン社と組んでその関係の書籍を出したり(既に、「魚食革命『津本式 究極の血抜き』完全版」(2020年1月)・「魚食革命『津本式と熟成【目利き/熟成法/レシピ】』」(2020年10月)・「津本式革命・魚レシピ」(2023年4月)の3冊が出版されており、全部買ってます(笑))、東京海洋大学の准教授である高橋希元さんに協力して魚の熟成についての科学的な研究を進めたりと、大活躍されてるんです。タダの魚屋ではなく、アイデアマンであり、ある意味イノベーターですね。

で、その津本式の究極の血抜きと言うのはどんなコトをするかと言うと、より具体的には津本さんのHPに記載の通りなのですが、ザックリ以下の通りです。
・    神経締め…コレにより魚の血管を拡張させ、後に血を抜き易くする効果あり(但し、コレは活魚の場合)
・    究極の血抜き…魚のエラの根元を包丁等で切り、ソコにホースを当てて心臓付近の動脈から水圧によって血を押し出す(ヒトによってはノズルを使って血を出す以下の方法のコトを究極の血抜きだと勘違いされている方がおられますが、ホースでやるヤツこそが究極の血抜きなのです)
・    ノズルを用いた血抜き及び神経抜き…尻尾側の背骨の下の穴にノズルを当てて動脈から更に血抜きを徹底すること、また背骨の上の穴にノズルを当てて水圧を掛けると、脳に予め開けておいた穴から神経がピュッと押し出されてくる(神経も残っていると、劣化・腐敗の元となる為、出来れば取り除いた方が望ましい…ピュッと出せるようになると、快感なんですよねぇ(笑))。
・    エラと内臓を取り除く。但し、極力魚体が空気に接する面積を減らす為に腹の切開も最小限に止めるし、ウロコが身を腐敗から守ってくれるので、この段階では取らない
・    中骨の血合い(腎臓)は極力キレイに取り除く(コレも腐敗の原因になる為)。
・    水気をキレイに拭いたら、キッチンペーパーやグリーンパーチで魚体を包み、ビニール袋に密閉し、極力真空に近い状態(準真空状態と言うんですかね)で袋詰め。
・    水を張った発泡スチロールやコンテナ等に入れて冷蔵保存し、3日~2週間程度熟成させる(冷蔵庫の庫内熟成も出来るけれども、空気は温度変化し易くなるので、温度変化の少ない水に入れた方が安定的に熟成可能)。

ザっとこんな手順で魚を血抜き・熟成させれば、家であっても結構美味い熟成刺身・焼魚等が堪能出来る、と言うワケです。
道具を揃えたり、血抜きの技術を覚えたり、手間暇掛けて熟成させたりと、やや面倒な手順を踏まねばならんと言えばそうなのですが、単に捌いて刺身にしたり、調理したりするサカナに比べれば矢張り美味いモンにあり付ける可能性・確率は高まると思います。

食材の長期保存が可能となり、フードロス対策にもなる方法でもあるので、コレは開店の暁にもやって行かねばならんのかな、とも考えています。
皆さんもご興味あれば、各自の家庭でもお試し下さりませ。

明日は「醗酵食品・今年の梅仕事 土用干し」についてお届けする予定です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?