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7月28日(金)「醗酵食品・喜多品老舗の鮒寿し」

今日の豊田も夏晴れ。
最低気温は24℃、最高気温は36℃。
もう最高気温35℃前後が常態化してしまってますね。今後10日程度の予報も見ても、一日も最高気温が35度を下回る日が無いと言う…。暑い時に暑いのは良いコトだけれども、もう少し雨が降らんと、水不足になっちゃうよなぁ。そろそろ7月も終わりに近付き、花火大会やら夏祭りやらが開催される時期となり、ホント夏本番!と言うカンジになってます。さて、

昨日は「未利用魚・セミホウボウ」について書きましたが、今日は昨日再訪した滋賀県は琵琶湖西岸の高島にある鮒鮓の老舗、「総本家 喜多品老舗」について書いて行きたいと思います(冒頭画像はコチラから拝借しました)。

鮒鮓。
日本を代表する醗酵食品の一つで、その概要については以前の「醗酵食品・鮒鮓」でお伝えした通りです。数ある鮒鮓を作り販売するお店の中でも、所謂名店と言われ且つ鮒鮓作り専門でやっておられるのがこのお店、喜多品老舗さんです。
創業は1619年(元和5年)、江戸時代初期であり既に創業400年以上、今の当主である北村真里子さんで18代目と言うコトなのでオドロキです。今は、愛知県から婿入りされた旦那様の篤史さんと共にたった二人で鮒鮓作りから販売迄の全てを手掛けておられるとのことです。

このお店の鮒鮓の特徴としては、所謂「昔ながら」の製法に拘り、春の産卵期直前に琵琶湖で獲れた天然の子持ちニゴロブナ(琵琶湖固有種…1匹百匁(375g)のモノ)のウロコを取った後で、内臓を卵を残してエラからツボ抜きし(コレが難しい)、たっぷりの塩をその鮒と交互に百貫(375kg)入る木桶に漬け込み、重石を乗せて待つこと2年。他の鮒鮓製造家では数ヶ月のことが多いようですが、ココは出来上がった鮒鮓の卵が丁度羊羹を切った時のようになるコトを理想として2年の塩漬けをしているとのこと。実際、他の鮒鮓を食べた時には切るときに卵がボロボロになりました…。
2年後の夏の土用の頃(丁度今頃ですね)に一旦木桶から取り出して洗って一日だけ天日干し。その後、焚き上げて冷ました高島産のコシヒカリに塩を混ぜて合わせ、今度はそのご飯と鮒を再び交互に木桶に敷き詰めていく。そして、落とし蓋と重石を乗せて更に1年熟成(鮒の大きさによっては2年以上漬け込むこともあるとの由)。塩漬けと飯漬けの合計で約3年(千日)。
1年後に熟成を終え、ゴハンが乳酸醗酵した飯(いい)の中から鮒を取り出せば、鮒寿し(飯漬)の完成。手間、掛かってますねぇ~。この製法を「百匁百貫千日」と言うのだそうです。
他の製造家の鮒鮓も食べたコトありますが、矢張りココのモノはお上品で繊細な印象あります。

お味の方はと言いますと。
その前に、香り。醗酵食品独特の芳醇な香りがあり、コレを臭いと言うヒトは多分食べてもダメでしょう。でも、コレを「お、ナニやら美味そう」と感じるヒトはイケる口だと思います。やっぱこの手のモノは好き嫌いがハッキリと分かれるんですよね。
で、口に含めば、まずは酸味。酸っぱいけど、なんか美味い。甘味、塩味、旨味が混然一体となって奥深い味わい。単体で食べると、一気に沢山食えるような代物ではないと思うけれども、チョットづつ破片を口に入れては日本酒をグビリなんてやってると、無限にイケちゃうかも知れません。時にはチーズなんかとも比べるヒトもいる程度です。まぁ、良い酒の肴ですよね。あんまり一度に沢山食べるモノではないかも。

でも、お茶漬けにしたり、吸い物にしたりしても良いようだし、変わりドコロ?である色々と創意工夫したイタリアンのお店では、ポテサラやコロッケに混ぜて旨味と香りを引き出したりするヒトもいるらしいです。
まぁ、バクバク食うモンではないけれども、日本酒とのマリアージュにはもって来いのツマミなのではないでしょうかね。

今回は店主とおハナシする中で、2年の塩漬け+1年の飯漬後に、更に近所の酒蔵(萩乃露さん等)から調達した酒粕に更に1年漬け込んだ「大溝 甘露漬」なる製品もあるとご紹介戴き、コチラは飯漬に酒粕の甘みや芳醇な香りが加わっていて比較的ダメなヒトでも食べ易いモノになっている、とのことだったので、追加で購入。コレはまだ食べていないけれども、楽しみに取っておきます。

と言うことで、今週はココまで。
今週末も含め、来週中はず~っと暑い日が続く様なので、熱中症にはくれぐれもお気を付け願い、良い週末をお過ごし下さりませ。

来週月曜日は、「醗酵飲料(日本酒)・東一」について書いて行きたいと思います。


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