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6月14日(水) 「醗酵食品・鮒鮓」

今日の豊田は小雨のち曇り、夕方にになって晴れ。
最低気温は22℃、最高気温は28℃。
梅雨らしい天気で、湿度は少々高く蒸し暑かったですねぇ。さて、

昨日は「醗酵飲料・仕入候補先の酒屋さん」について書き連ねてみましたが、本日は「醗酵食品鮒鮓」について(冒頭画像はコチラから拝借しました)。

鮒鮓は近江の名産のなれずしの代表格で、琵琶湖で獲れるニゴロブナを原料として、塩と米で漬け込むコトで乳酸発酵をさせて作られる伝統的醗酵食品です。
日本に於けるなれずしの歴史は古く、稲作の伝来と共に中国の南部(雲南省辺り?)や東南アジアのメコン川流域等から日本に流入して来たモノと考えられているコトと、冬に海が荒れ易く漁が出来ずに保存食が発達した等によって日本海沿岸にその文化が広がったようです(秋田のハタハタ寿司しょっつる、石川のかぶらずしいしる、福井のイワシやサバの糠漬け(へしこ)、島根のアユのなれずし等)。
この鮒鮓にしても、日本海と近江を繋ぐ鯖街道を通って伝わった文化の一つであるとも言われているようです。

具体的には、春先(4~5月頃)に琵琶湖で獲れる産卵前の子持ちのニゴロブナから、卵だけを残してツボ抜き(エラから内臓を取り出す)し、たっぷりの塩をお腹に詰め、また周りにもたっぷりと塩を入れて木桶で塩漬けにし、7月の土用の頃に木桶から取り出し洗って塩抜きしたアトに天日干しに(以上が塩漬けの工程…お店によっては2年塩漬けするトコロも)。
その後、塩と合わせた米と塩漬け→塩抜き・天日干ししたニゴロブナに今度は再び飯をギッシリと詰め込んだ上で飯とニゴロブナを交互に木桶に入れ重石を乗せて漬け込み(以上が本漬け、飯(いい)漬けの工程)、1年待って完成(お店によっては、2~3年飯漬けするトコロも)。
手間が掛かっている上に、近年ではブラックバスブルーギル等による捕食やら、琵琶湖自体の環境悪化(水質汚染護岸による産卵場減少)等により、ニゴロブナ自体が減少してしまっているコト等もあって、鮒鮓自体の価格も相当に騰がって来てしまっています(泣)。この点は、愛好者にとってはツラい現実なのであります。

で、肝心のお味はと言うと。
天然乳酸菌達の醗酵による鮓の酸味と飯の甘みが互いに融合し合ってジワリと醸し出した奥深い甘みと旨味(アミノ酸)、適度な酸味(乳酸)が、時としてチーズのようなと比喩されるような奥深い味わいを出してくれています。
スライスして酒のツマミとしても良し、お茶漬けにしても良し、吸い物もまた良し。

また、カラダにも良いコトも科学的に証明されています。
まずはビタミン類。醗酵中に微生物が様々なビタミン群を多量に生成してくれることから、鮒鮓には豊富なビタミン類が含まれている為、ビタミン補給には適していること。
また、鮒鮓には乳酸菌や酪酸菌等の良質の活性菌が含まれている為、コレを食べると腐敗菌の繁殖を阻止してくれる細菌群が腸内に棲み付き、腸内環境整備に一役買ってくれるのだそうです。
コレらが相俟って、カラダに良いこと、即ち便秘や下痢の解消、疲れた胃腸の回復、疲労回復、風邪に効く等の効能があるのだとか。

とまぁ、食べて旨いし、カラダにも良い、おまけに保存も効くとあれば、今後やろうとしているお店に置かぬワケには行かない、と言うことでメニュー化決定の一つであります(笑…ヒトによって好き嫌いがあるのは重々承知、好きな人だけ注文してくれりゃあエエんです)。

明日は「未利用魚・アカタチ」をお届けする予定です。


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