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命懸けのお世辞(イラスト付き)
内臓君は内代さんからごちそうをしてもらえるということで、ウキウキしながら内代さんの家に向かった。
そして内代さんのごちそうを頂いたのだが、その食べ物はとても美味しくはなかったのだ。そして内臓君は純粋な気持ちを表現してしまった。
「これ、美味しくないね」
すると空気が一変したのだ。
「何で美味しくないの!」
と内代さんの激しい問いかけに、内臓君は戸惑いそして考えた・・・
なぜ美味しくないのであろう・・・
この得体の知れない白いボールの様な物は一体何でできているのであろう・・・
内臓君はどんなに考えても答えは出てこないのでした・・・
そして純粋な心を持つ内臓君は少しずつ、自分の本心とは違う対応をするようになっていったのです。
内臓君はとてもまずいものを、ほうばりながらそう答えた。
そして内代さんは内臓君の急激な対応の変化も一切、おかしいとも思わず
「ありがとう」
そう笑顔で答えた。
「やった内代さんの笑顔が見れた」と心の中で内臓君は喜んだのだ。
そして内臓君のテクニックは進化していったのです。
と口の中にあるものを、吐き出しそうになりながらもそう答えたのでした。
内代さんは内臓君の進化していくお世辞にも一切、おかしいとも思わず
「おかわりあるわよ」
そう笑顔で答えたのだ。
なんとその料理は、うまい料理でも食べきれないぐらい作ってあったのです。
やばい、やってしまった
内臓君は心のなかでそう叫んだ、内臓君はもうこんなひどい食べ物を見るのも嫌気がさしていたのです。
だが内臓君はもう引くわけには行かないと、決死の覚悟をして男の意地を見せたのでした。そして
なんと内臓君は自分の意見と全く逆の解答をしてしまったのです。
それは内臓君が人生最大の嘘をついた瞬間なのでした。
そして内臓君は死ぬ思いで食べました。もちろん、生まれて初めて美味しいものに出会ったように。
だがそれは生まれて初めて遭遇したまずい料理だったのだ。
内臓君がなぜここまでするのかというと、内臓君は内代さんに完全に惚れてしまっていたからなのです。
この命懸けのお世辞により内代さんは内臓君を気に入ったかどうかはわからないのだが、これにより内代さんのとびきりの笑顔を作ったことは言うまでもないことなのです。
そして帰り道のトイレで食べた物を全て戻した後、内臓君は突然不安に襲われるのである。
またごちそうの招待があるかもしれない!
内臓君の中ではごちそうはもうトラウマになっていたのです。
そして内臓君は今日やってきた自分の行ないに恐怖し、
次の恐怖がまたやって来ないことを繰り返し祈るしか無いのでした。
今日の内臓君の日記
どんなにまずくても
君の笑顔があればいいのさ
by 隠世内臓君
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