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いつか一緒に
「番外編 : 「ジャンク」」で紹介したS氏と連絡を取った。
彼は今、タイのバンコクで某飲食店を経営している。
以前に比べて制限が緩和されて来たらしいが、苦しさは倍増中。規制緩和と同時に、大家によるバカ高い家賃の催促が始まった。
S氏曰く、「こんな中途半端なものじゃ意味が無い。むしろ徐々に首を絞められるだけ。これがあと半年も続けば、マジでタイの日本人飲食店全てが死んでしまう」とのこと。
そして...タイでは今年の10月から、飲食店関係者にワクチン接種が義務付けられる。
...無論、S氏も例外では無い。
彼も私と同様、ワクチンの真意を時間をかけて考察し、探り続けて来た人物。本来は打ちたく無いはずだ。
だが...彼が抱えている従業員の生活を考えると、逃げるわけにはいかないだろう。
彼は若い頃、過労で倒れた。その後、医師から難病と診断されてしまい、余命半年と宣告された。しかしその後、某製品と出会い、それを活用した食生活改善によって命を取り留めた(番外編 : 「MLM」より)。
とは言え、後遺症に苦しむ毎日を過ごしているのも事実。元気ではあるが通院は続けているし、将来的に目が見えなくなる可能性もあるとか。
何より、その製品はタイでも購入可能だが、入っている成分が日本製のものと微妙に違う。また、彼の命を救ったと思われるメインの製品がタイでは手に入らない。なので、彼はいつもその製品を帰国時に大量に買って、タイ国内に持ち込んでいたのだ。
今となっては当然、それが出来ない。私もタイに滞在中は仕方なくタイの製品を使い続けたが、日本にいる時と比べて、やはり体調はイマイチだった。
「わはは!飛行機に乗るのが、俺の仕事なんだよ!」......
...彼がそう言って世界中を飛び回り、覇気を放っていた頃はもう十年以上も前になる。
懐かしい...あの頃はまだ文字通り、右も左も分からなかった。一度も海外旅行すらした事が無い私を、タイへ呼んでくれた。あれが無ければ、私はきっと、変われなかっただろう。
メッセージのやりとりから、以前の様な勢いも、そして羽振りの良さも失われている事が窺えた。
バンコクのうだる様な暑さ。
ゴキブリが這う、目が痛いほどのスパイスの香りに満ちた屋台街。
激安で激甘のマンゴー。
全く通じないタイ語。
タイ人女性の逞しさ。
ソイカの灯り、ナナプラザのオカマ達。
ビールと女に囲まれ、男同士で笑い合った日々...。
それらの記憶が、瞬時に頭の中を巡った。
それと同時に、目頭がぐっと熱くなった。
あのやり手のS氏が、確かに私に「いつか一緒に、ビジネスをしないか?」と言った。実現しなかったが、嬉しかった。確かに、言ったのだ。
はは...本人はそんな事、覚えちゃいまい。
...私は...無力だ。
真理を探究した。世界の中心を求めた。
しかしそれは...誰を救うものでも無かった。そんなの、分かってはいたんだけどね。
ここで感情的な事を言うつもりも無いが、ただただ...残念だ。
もし私の研究に興味を持って頂けたなら、是非ともサポートをして頂けると嬉しいです。サポート分は当然、全て研究費用に回させて頂きます。必ず真理へと辿り着いて見せますので、どうか何卒、宜しくお願い致します。