● 番外編 : 設計図

【はじめに】

昨今のスピリチュアリスト達はよく、「潜在意識」の存在を口にする。そして、「みんなの意識は繋がっている」とも聞くよね。

我々の意識は、氷山の如く水面下で繋がっていると。すなわち、ユングの「集合的無意識」。

まぁ言いたいことは分かる。私もこの手の話にひたすらハマってた時期があるからね。人生を具体的に変えたいなら、潜在意識レベルで変えないとダメという理屈も尤もだ。

ただ私の場合、めちゃくちゃ勉強して、あらゆるスピリチュアリスト達の言う事を実践したが、少なくとも金銭的に豊かにはなれなかった。

もちろん、ビジネスの成功哲学、マインドに繋がる部分もあるので、勉強したこと自体は無駄では無かったけどね。

私の知人は、「引き寄せの法則」や「潜在意識を味方につけよう！」みたいなテーマに夢中で勉強しまくってた。最終的にデリヘル嬢と結婚し、借金500万円を背負ってたよ。さすが引き寄せの法則。効果抜群だ。

どんなスピリチュアリストも、最終的にはカネ稼ぎが目的だ。まぁ、そりゃそうだろう。私ももしやるなら、「真面目にやろうとしている人たちから」、カネを集めるだろうね。

こういう事にハマる人は大体、何かしら悩みを抱えてるような人ばかり。簡単なもんよ。500〜1000人くらいのフォロワー、ファンを作ってしまえば、割とすぐ出来るんじゃないかな？

まぁ、ここでは彼らの本質はさておき...

かといって、その考え方そのものを全て否定してしまうのも、勿体ない。一つの文化として具現化している以上、注目の価値はあると思う。

我々の記憶や意識が、クラウドみたいな共通ストレージに保管されていたとしたら...それもそれで面白い話だ。かのアインシュタインですら、「我々はエネルギーを通して繋がっている」という言葉を遺している。

ただ...この手の話...というか「物語」も、残念ながらこの世には腐るほどあるんだよね。

映画「I AM」。ヒトの潜在意識など、スピリチュアルをテーマにしたもの。パッケージが大樹。私の研究を追いかけた人なら、この表現には察するものがあるハズだ。

それこそ、「アインシュタインが遺した」って時点で、誤誘導の可能性を疑わないといかん。だから当然、100%ストライクな情報ではないはず。

なら、どこが「ウソ」で、どこが「ホント」なのか。

いつも通り、そこを見抜く必要がある。

「集合的無意識」の存在を認識する時は大体、すごいタイミングで特定の相手と共通点を持った時、出会った時などだ。

それを人は「導き」とか「シンクロニティ」だのと言った、ロマン溢れるボヤっとした夢物語で片付けようとする。特に女性は、こういう話に弱いでしょう。

...でも、それも多分違う。それらの単語を生み出したのも詐欺師達だ。

そうではなく、違う側面からその現象を観察する事によって...また新しい推測が成り立つ。

木を見ず、森を見よ。森を見ず、全体を見よ。

...そして天を見、地を見よ。