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正偽感

私のおふくろは飲み屋を経営している。数人しか入れないちっぽけなお店だが、それでも細々と続けているのだ。

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そのおふくろの飲み屋で、ちょっとした言い争いがあった。

結構前の話なのだが、釧路市のイオンショッピングモール内で、精神的な障がいを持った男が包丁を持って暴れる事件が発生した。

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男は駆けつけた警察官に取り押さえられたが、一人の客が重傷を負い、悲しい事に亡くなられた。

その事件がおふくろの店で話題に上がったのだ。

事件に関わった一人の刑事が、お酒を飲みながらこの様に呟いた。

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「いやぁ、少し知恵遅れなところがある男だったんだけど...。それでも大人しい奴でね。そんな事する様な奴じゃ無かったんだよ。障がい者って言ってもそこまで酷くなくて、社会適応も出来ていたのに...。なんと言うか、勿体ない。可哀想でね。」

この意見に対し、同じカウンターで飲んでいた看護師の女性が憤ってこう言った。

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「何言ってるんですか!どんな事情があったにしても、殺人は殺人なんですよ!刑事のくせに何てこと言うんですか!可哀想なんてとんでもない!同情なんていらないんですよ!死刑にすべきです!」

この言葉を受け、刑事のおじさんは

「いやあ、まぁ、ね...。そうなんだけどさ。」

と、大人しく受け入れていた。

——とりあえず私から言わせてもらうと...看護師の女性はそのまま、看護師の仕事をされるのがよろしい。

別に悪い事じゃない。人には向き不向きがある。彼女はもしかすると、自分の性格を理解した上で看護師を選んだのかもしれん。素晴らしい事だ。

だが、彼女が営業の仕事をしても100%勤まらないだろうな(笑)。

せっかくしみじみと飲んでいる人のお酒を、自分の意見を主張したいが為に台無しにしたんだからね。正しい事を言っているかどうか以前の問題かな。

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まぁ100歩譲って、正義感があるのは素晴らしい事だと思うよ。

ただ、彼女の吐いたセリフを要約すると、私がざっくり纏めるなら「私の意見を聞いて!かまってよ!」だ。実際、「何てこと言うんですか!」って言葉が出てきてるでしょう。

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自己愛に満ちた人間は決して、この様な事を言わない。

ていうか、その程度で憤るってのはマズい。普段からメディアとかエンタメ、クソみたいな音楽の影響を受けて感情的になっている可能性が高い。

そもそも、神様じゃないんだから。「ですよ!」って言われてもね。

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勿論、殺人を擁護する気はないけどさ。

何て言うか、法律やら宗教ってのは善悪二元論を人類に叩き込む最良のツールなんだな、と心から思ったわけですよ。

それらの本質的な目的はやっぱり、「軋轢」なんだよね。

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そもそも「正義」なんてのも、所詮は法律や宗教などの「基準」があってこそのものなんだよなぁ。

何が正義で何が悪なのか、とか考えてる時点で分かっていない。

そこに着眼出来れば、こんな場の壊し方をしない筈なんだけどね。

まぁ、難しいか。

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