![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83009067/rectangle_large_type_2_8cb49a30ca0091933dc9ee5d1ea7fcd0.jpeg?width=800)
日常を生く
「そう、だから言ってしまうと、この世界ってのは極論大した存在じゃ無いということ。故に、死は最悪の出来事なんかじゃなくて、それすらも受け入れるべき、避けられない『普通の出来事』ということです。人生は遊んでいいんです。どうせ全部、決まってますから。」
「えええ〜!!はぁ…難しいですね…」
私と、自動車学校の先生との会話である。
今、普通免許を取り直しているのだが、何せ私は20年以上運転の経験があるので先生もヒマをしているのだ。
そこで、走行中は何とか間を持たせるために、私も先生も話のネタを考えては、会話をして時間を潰す。
今回、担当してくれた先生はまだ若く、30歳前後といったところ。
私が「先生は、この世の全てが決まっている…って考えた事ありますか?」と聞くと、彼は「えぇ〜!!無いです!」と返した。
さらに続けて、「じゃあ、物理的にも意識的にも、我々は理が逆転した世の中にいる…って考えた事もありませんかね?」と聞いた。
もちろん、彼は首を横に振った。そんな事、考えた事あるはずがない、といった感じだ。
だが、幼児の生前記憶や視界の逆転、月の真実、虫の生態などを基軸に話を展開すると、大きな興味を持って私の話を聞いてくれた。
「なるほど…じゃあこの世の事は全て、最初から決まっている…という事ですね?」
「はい、そうなります。ただ、必ず一概には言えない部分もあると思うんです。全てがそうじゃない。ある意味ではそうだが、ある意味ではそうじゃない。きっと、変えられる所があるはずなんです。私は死ぬまでに、そこに介入する方法を突き止めたい。そんな研究を続けてるんです。」
「えぇ〜…すごいっすね。」
「いえいえ。ただの怪しい奴でしょう?」
「いや、でも…言ってる事は難しすぎてサッパリなんですが、何故か知らないけど聞いちゃうんですよね。聞き入ってしまうんです。スーッと。」
「そうですか?」
「はい。マサヤンさん、多分、そういうの向いてるんだと思いますよ。」
「じゃあそのうち、宗教団体でも立ち上げて第二の麻◯彰晃にでもなってみますか(笑)」
「ははは!僕、もしかして勧誘されてます?(笑)」
「そうですね。先生には第一のマサヤン教の信者になってもらわないと(笑)」
...てな感じで、ゆるーく講習を受けている。もう少しで普通免許が取得出来そうだ。
おふくろが死んだ。吹っ切ったつもりだったが、あれからさらに、死生観と併せて考える様になった。
「まぁちゃん、ありがとう。好きにやんなさい。あんたの好きにしなさい...。」
...好きな様に、か。
おふくろ、俺はどうすればいいんだ?
頑張ってカネを稼げば良いのか?
それとも、このまま真理を探求すれば良いのか?
とりあえず、両方とも並行して進めてるよ。
あなたに...そしてこの故郷に、あなたの大好きだった末広町に...笑ってもらえる様に、ね。
...車を停め、エンジンを切る。
「じゃあ先生、お疲れ様でした。有難う御座います!」
「はい、お疲れ様です。あぁ、そうそうマサヤンさん。さっきの夢の話なんですけど...」
「はい?」
「そういえば、夢を操る事が出来るってのは、僕も聞いた事あります。」
「え?」
「自分が夢の中にいるって、気付けるらしいんですよ。そこに気付いたら、夢の中を自由に作れる、みたいな。例えば飛行機!って決めたら飛行機が出来て、それに乗って自由に飛び回れるみたいなんです。」
...私はにやりと笑い、返した。
「...明晰夢、ですか。」
「めいせきむ...って言うんですか?なるほど。でも、僕もそれは経験が無くて。周りでその経験者はいますね。」
「なるほど...先生、有難う御座います。今日の講習が先生で良かったです。」
「...??いえいえ(笑)、じゃ、ハンコ押しておきますね!お疲れ様でした。」
——真理探求者の旅は続く。
● YouTube【真理探求チャンネル】も宜しくお願い致します。
もし私の研究に興味を持って頂けたなら、是非ともサポートをして頂けると嬉しいです。サポート分は当然、全て研究費用に回させて頂きます。必ず真理へと辿り着いて見せますので、どうか何卒、宜しくお願い致します。