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タイでのエピソード・その21
—その20の続き—
以前の会社仲間とはほとんどつるまなくなったが、代わりに新しいタイミングで入った同期の奴らとは、そこそこ話す様になっていた。
それでも最終的には、一切の関わりを持たなくなった。
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やはり、どいつもこいつもしょーもない。とは言え、ここにいる限り、どこまでいっても同類と言う事になってしまう。
その時、私のライティングの仕事はそれなりに好調で、ついにテレフォンオペレーターの給料を上回る算段がついた。
「すみません、辞めます。」
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私は現場マネージャーにあっさりと辞職を申し出て、会社を後にした。
それから私はずーっと、自宅でパソコンと睨めっこする日々が続いた。
確かに会社にいるよりは稼げる。だが、問題はあまりにも山積みすぎた。
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ここは日本では無い。ビザは絶対に必要になるだろう。ビジネスビザが切れてしまったら、あとは観光ビザで繋げるだけ繋ぐしかない。
幸いにも、日本人が経営している日本人向けのビザツアー会社は沢山ある。なので、困る事は無かった。
ビザは何とかなるにしても、ネットの環境もハッキリ言って、よろしくない。私の場合、むしろ最悪と言って良かった。
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アパートのWi-Fiもいきなり繋がらなくなる。多くの住民で共通して使っているので、重たくなったらそこで終わり。しかも、このアパートでは個々の部屋で個人契約が出来なかった。最悪。
そうなったら、各階に設置されているWi-Fiのシステムの電源を引っこ抜き、勝手に再起動して無理やり繋げるしかなくなる。
乱暴に見えるかもしれんが、アパートの管理人が「そうしてくれ」と言ってきたのだ。決して汚く無い中クラスのアパートで、これだ。
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これぞ、タイ。こういった領域も含めて、タイ人は「気にしない」。ここでムカついたらタイに住めない。
私…?勿論、ムカついたよ(笑)
今なら4Gでテザリングもサクサクだが、以前言った様にこの頃はまだ3Gだった。
契約したタイの通信会社trueも、容量制限があり、ずっとネットに繋いでいると結局すぐ使えなくなる。
そういったあらゆる制約の中、ストレスマッハ状態で何とかライティングを行い、お金を稼いだ。
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「辛抱するしか無い。ネット環境に関しても、もっと良いところに引っ越せば解決するはずだ…。」
…そう自分に言い聞かせ、私は一人部屋に篭り、キーボードを叩きまくった。
周りにはいつでも楽しめる「お風呂」がたくさんある。でも私は一切、遊ばなかった。
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アパートで仲良くなったタイの女の子とたまに遊んだり、元会社の同僚の誘いで飲みに行ったりすることもあったが、仕事が入っている時は意地でも仕事を優先した。
…そうしているうち、私の体調に異変が生じ始める。
近所にあるボロいスポーツジムで、しっかりと筋トレも続けていた。
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食事は主にコンビニ弁当だったので、お世辞にも良いとは言えなかったが、サプリメントのおかげで栄養バランスはそこまで崩壊していなかったはずだ。
…にも関わらず、私の脈拍は妙に早く、呼吸も次第に浅くなっていった。
スポーツジムで筋トレをしていたとある日の事。呼吸がなかなか落ち着かない。なぜか深くまで、呼吸が入っていかない。
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(何だ…??俺は、どうしちまったんだ…??)
そう思いつつも、何とか目を閉じて深呼吸し、落ち着こうとした。でも、どうしても過呼吸気味になってしまう。
異変を感じた私は、急いで着替え、アパートに戻る事にした。
その日…夜中に何度も何度もトイレに起きた。また、寝ている間に足が激しく攣った。筋肉が痙攣を起こす。
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そして…私はそのままパニック障害を引き起こした。
—その22へ続く—
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