タイでのエピソード・その44
—その43の続き—
さて、タイのデパートは紹介すると本当にキリが無い。
ちなみに、全然掘り下げていない。触っただけだ。掘り下げてしまうと、恐らくそのテーマだけで一つのコンテンツを立ち上げる事も可能。
まぁそれはそれで面白いが、私は今現在タイに住んでいるわけでもないし、ちょっと趣旨がずれてしまいそうなのでこの辺で…。後は話の流れの中でまた、少しずつ紹介していこうと思う。
そんなこんなで適当な日々を過ごしていると、あっという間に一ヶ月は過ぎるもので…いよいよビザツアーの日が明日へと近付いた。
用意するものを確認していると…着信があった。タカイさんだ。
「…もしもし?」
「…あ、はい、もしもし。」
「…マサヤンさん?」
「はい、そうです。」
「車のナンバー〇〇。」
何も言わず、唐突に車のナンバーを言い出す(笑)。悪気は無い。これが、この人のペースなのだ。まぁーーーーー変わった人である。
「オンヌットのテスコロータスの駐車場に17時集合。車の場所は、ケンタッキーからずーっと道路側に歩いたところね。」
「はい、分かりました。お金も写真も用意してるので、大丈夫です。」
「はい、それじゃあ。」
「あ、すいません!」
「…?」
「ええと、僕以外に日本人っていますか?」
「…今回はとりあえず参加者、全員日本人だね。あんた以外7人いるけど、皆、日本人だよ。」
…それを聞いて少し、安心した。さすがに分からない事もあるだろうし、中にビザランの経験者がいれば頼もしい。
「ビザランの経験者って、いるんですか?」
「あんた以外みんな、常連。」
「マジっすか?(笑)そうなんですね、了解です!」
「うん、それじゃあね。時間、遅れない様にお願いします。」
「はい、分かりました。」
…タカイさんは恐らく、第一印象は最悪な人。でも、マジで悪い人じゃない。例えばツアー中にトラブルがあったとしたら、全力で助けてくれる。電話が繋がるまで何度もかけてくれたりする。私と同じで、感情を表に出すのが苦手なタイプなんだな。
それにしても…ビザランでタイに在留するなんて、最悪の選択肢だと思っていた。
「黒い都合」で帰れない、クズみたいな連中がやってる事だと思い、ずっと偏見の目で見ていたのだが…まさか自分がその一員になるとは。
私以外が皆、常連か…。
よく考えれば、何を以って、「良い事」なのか。何を以って、「悪い事」なのか。
生き方は自由…本当にそうだ。そして、自己責任。皆、それぞれがそれぞれの正義と都合を背負って生きている。
サラリーマンになって税金と年金を払い、家庭を持つのが「立派な生き方」なのか?
なんだ、そりゃ。どの基準で言ってるのだ。
…死ぬ時、愚痴や文句を言わない覚悟があるなら、何をやっても良い。
その時、私は改めてそう強く思った。
それと同時に…私自身が既に「普通」と言う領域から外れている事も…理解した。
もはや、戻れまい。
今まで散々、私を馬鹿にしてきた人間たちの顔が思い起こされる。その度、私の目にはグッと力が入った。
成功してみせる。必ず…。
—その45へ続く—
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