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タイでのエピソード・その2

その1の続きー

私のパソコンに、見知らぬアドレスからメールが届いていた。

「マサヤンちゃん、元気かい?」。

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そこから始まったその文章は、S氏のものだった。

内容を見て、私の目は見開いた。

「マサヤンちゃん、良かったらタイに来ませんか?以前誘ったと思うんだけど、その時はお金がないと言う理由だったと思います。実は今回、現地のコールセンターで働いている俺の友人に聞いた所、紹介出来るとの事だったんですよ。

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そこでマサヤンちゃんを紹介してもらおうと思い、その旨を伝えたくてメールしました。人生を変える良いきっかけになると思うし、考えてみて下さい。」

...今でも覚えているが、私はあまり、悩まなかった。

ほぼ二つ返事状態で「分かりました、行きます!」と返した。

要はそれほどまでに、「もう沢山だ」と思っていたんだと思う。

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...何も変わらない日々に。

そして、やりたくもないバイトを続けては辞め、ギターも結局形にならず、いい歳こいて何のプロフェッショナルでも無い自分に...。

...分かっていたけど、実行出来なかったこと。

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「人生は、行動である」。

その言葉だけは、私の中に強く刻み込まれていた。

この時ついに、私は人生において「大きな行動」が出来たと言えるだろう。

カネなど勿論、ない。ギリギリにもほどがあった。

でもS氏は決して、飛行機代を出してくれない。

しかも以下の様に続けた。

「ただし、来るなら自分で決めて来いよ。

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後で失敗して、『ほら、やめようと思ったのにSさんが何とかなるなんて言うから...』とか言われるのは嫌だからね。」

...しかしまぁ、本当に何でもかんでもハッキリ言う人だ(笑)

私は「分かりました」と言い、ほんの僅かだけ残っていた勇気ってやつを振り絞った。

その後、バイト先の仲間、学生時代の友人、今までゲームやパチンコで遊んでいた友達、その他様々な知り合いや親にこの事を告げた。

しかし...ごくごく一部を除いて、応援してくれる人など誰もいなかった。

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「何しに行くのwww」

「タイ?風俗で遊んでくるんでしょ?」

「病気にならない様にwww」

「やめろって!行ってどうする?どうにもならないって。」

...などなど、だ。

そこで私は一旦尻込みし、S氏に「やっぱりやめようかと思います。お金も無いし...ごめんなさい」と、断りのメールを入れた。

すると、S氏から次の様に返信が来た。

「先日の元気はどこに行ったんですか?こちらでは既に、君が来る事を見越して、引っ越し先などを探しながらスタンバイしてます。あそこまで強く決意したと言うのに、この短期間での変わり様にビックリです。

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あの時、自分で何とかすると俺に誓ったのは嘘だったんですか?何も変わらない人生を変えたいから、俺にすがったんじゃ無いのですか?また繰り返すのですか?」

...私はそのメールを受け、これからの人生を想像した。

そこには、今と変わらない自分がいた。

もういやだ。沢山だ。

どうあっても、人生を変えたい。

そう思った私は、「やはり行きます」と返した。

知ってる人もいると思うが、タイのコールセンターと言えば、ハッキリ言って最悪レベルの選択肢と言っても良いだろう。いわばミソッカスの最終手段。

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と言うかまぁ、日本で生きられなくなった人間のゴミ溜め...みたいな場所である。

日本で就職のチャンスがもう無さそうな人、ゲイやバイといった性的特徴によって日本に居場所が無くなった人、返せない借金を負っている人、ヤ◯ザに追われている人などなど...皆、何かしらの「事情」ってヤツを抱えている。私などまだ、全然マシな方だ。

それでも安い給料の中、福利厚生はしっかりしていた。ビジネスビザは勿論、ワークパーミットも出るし、日々の生活のサポート体制は決して悪くなかった。

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それを見て尚の事、私の中で「これならいける!」と言う確信が強くなったのだ。

面接はスカイプを通して行われた。

...その数日後、合格の通知を受け取る事になる。人生で一番、嬉しい合格通知だった。

これで晴れて、タイに住むチャンスを...そして、人生を変えるチャンスを掴んだ。私はまだその時、海外旅行すらした事が無かった。つまり初海外にして、初海外居住である。

もう、何とかするしか無い。無理矢理も良いとこだったが、もはやそれくらいやらないと自分の人生は変わらない。それは、私自身が一番よく分かっていた。

それほどまでに、私の今までの人生はクズそのものだったのだから。

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だからこそ、どでかいリスクが待っているのも当たり前。人生は、自己責任なのである。

周りの目も気にしなかった。私を応援しない大体の人間の罵りは、「嫉妬」である事を理解したからだ。

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田舎特有。むしろ、今までいかに付き合う人間を選ばなかったかが分かったので、良かったとすら思った。

その時私を応援してくれなかった人間とは、その時点で絶縁となった。どうでもいい。人生が変われば、人付き合いも変わる。これも、当たり前の話。

親も私に反対しきりだったが、フライトの当日、封筒に10万円を入れてよこした。

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胸の奥がぎゅうっとなった。

「いらない」と言ったが、「いいから持っていけ」と言って、聞かなかった。

私が「じゃあ、元気で」と言うと、おふくろは「今生の別れみたいに言うんでない!」と言った。

そして私は凄まじい緊張の中、新千歳空港を後にした。

全てが、初挑戦。言うまでもなく、タイ語など知らん。いや...英語すら、たどたどしい。

...こうして、私のタイ生活の幕は開いた。


その3へ続くー

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