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近藤 真弥
2023年6月19日 21:30
『同じ下着を着るふたりの女』は、キム・セイン監督の長編デビュー作にして、今年日本で公開された映画の中では傑作のひとつに数えられる作品だ。スギョン(ヤン・マルボク)とイジョン(イム・ジホ)という母娘を通して描かれる、暴力や共依存に塗れた関係性は綺麗なものではない。家族の繋がりや良妻賢母といった安易な理想化を巧みに避けながら、冷徹な眼差しに基づく社会批評と母娘の成長を描いているからだ。 そうした