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学部のときは書けた、大学院で「書けない」ということを学んだ
今年は、いろいろと原点回帰の年なのだが、学術に関しても、昔の感覚を思い出している。
昔、というのは学部のときで、あの頃は、知識も考察も不十分だったけれど、それゆえにか、卒論は比較的悩まずに書けてしまった。それが今考えれば不思議である。卒論は、マルセル・モース『贈与論』の脱構築的分析で、テクストの言葉尻を細かく見ながらデリダとラカンを使って論じるという、けっこう複雑なものなのだが、記憶が確かならば、締め切り日よりも先にできて、余裕をもって提出できたのである。信じられない……
良かれ悪しかれ、あの頃はナルシシズムが素のままだったというか、図々しかったのだと思う。それが、大学院に入って、だんだんとそうではなくなっていった。
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