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事務所note:金融機関の窓口でも売られている「仕組み債」のカラクリ

いつも事務所noteをご覧頂き、ありがとうございます。
名古屋と札幌で活動する、独立系ファイナンシャルプランナーのおさかべです。

私の自己紹介になります。

今回は『金融機関の窓口でも売られている「仕組み債」のカラクリ』についてお話しします。

仕組み債とは、特殊な仕組みの債券(国債など)のことを指します。

結論から言います。
この仕組み債は「ハイリスク・ローリターン」で、リスクがある割にリターンが少ないという、恐ろしい仕組みの金融商品になっています。

もちろん、利益も見込めますが、個人的に購入する予定はありません。

しかも、そのような投資商品が、銀行窓口などでマネーリテラシーのあまり高くないお年寄りの方にも、当たり前のように勧められています。

もし、仕組み債の購入を検討されている方は、今回のnoteを見てから決めて頂きたいです。

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「仕組み債」の仕組みとは

仕組み債とは特殊な仕組みの債券です

では、どのように特殊でどんな仕組みになるのか。

仕組み債は、相場の状況によって、もらえる利息と戻ってくる元本が変わります。

仕組み債は通常、日経平均などの株価と連動していることが多いです。

それによって、投資対象となっている株価が上がったり下がったりすることで、もらえる利息や戻ってくる元本が変わってきます。

もう少し詳しく説明していきます。
仕組み債で注意が必要なのは、次の2つの時になります。

・株価が大きく下落した時

・株価が大きく上昇した時

基本的に仕組み債は、株価がある一定の範囲内で、上がり下がりを繰り返していたら、利息がもらえるというものになります。

しかし、その一定の範囲を超えた株価の変動があると状況が変わります。

株価が大きく下落した時、対象の株価がある一定の範囲を超えて下落してしまうと、もらえる利子が少なくなったり、貸した金額よりも少ない金額しか返ってこなくなります。

現在、国内で販売されている仕組み債は、こちらになります。

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引用:ファイナンシャルスター

株価が大きく下落した時のケース

対象の株価が、ある一定の範囲を超えて下落してしまうと、もらえる利子が少なくなったり、投資した金額よりも少ない金額しか返ってこなくなります。

これはかなり怖いと思います。
投資した金額が、「株価が下がったから」という理由で、一部しか返ってこなくなります。

一応、ある一定の範囲を超えて下がっても、元通りの株価に戻れば全額返ってくるというルールもあるので、契約前に確認されることをオススメします。

株価が大きく上昇した時のケース

では、株価が上がっている時は安心かというと、そうでもありません。

確かに、株価が下がった時のように損をすることはありません。

しかし、ある一定の範囲を超えて株価が上昇すると、今度は貸したお金が「全額返ってくる」のです。

そこで契約終了という扱いになります。

例え、それが契約期間の途中でも関係ありません。

株価が急上昇すると困ること

わずかな利益しかもらえない

株価が急上昇して、途中で契約が終わっても、投資したお金が全額返ってきて、りそくも付くなら別にいいよと思う方もいるかもしれません。

しかし、本当にそうでしょうか。
この場合、確かにお金が減ることはありませんが、もらえる利子が大きく減ってしまいます。

どういうことなのか、例を使って説明します。

貸した金額…100万円

年利…10

1年間で10万円の利息をもらえる)という条件で、債券を買った(お金を貸した)とします。

順当にいくと、1年後には貸した100万円が返ってくる 1年かけてもらい続けた利息の合計10万円の利益が出ています。

しかし、株価が急上昇して半年ほどで契約が終了してしまうと、貸した100万円は返ってきますが、半年間の利息しかもらえず、5万円の利益しか出ません。

これは受け止め方の問題もありますが、本来もらえるはずだったお金がもらえないのは、損だと私は思います。

まとめ

ここまで、ずっと仕組み債のリスクについて説明してきました。

そもそも、どうしてこんなハイリスクな投資が存在しているのでしょうか?

答えは簡単で、もらえる利息が多いからです。

例えば、日本が発行している10年国債ならば、今日現在の利率が0.159%になります。

一方、仕組み債の利率は平均で2%〜3%。高いものでは10%を超えるものもあります。

これだけ聞くと、仕組み債はハイリスク・ハイリターンな投資と思えてしまいますが、ちょっと待ってください。

ここで、仕組み債について再度確認。

・株価の変動が安定している

→最初から決まっている額の利息をもらえる。

・株価が一定の範囲よりも下落する

→投資した金額が元金割れするかもしれない。

・株価が一定の範囲よりも上昇する

→途中で全額返ってくる

=途中までしか利子をもらえない

仕組み上、株価が下がれば下がるほど損をします。
しかし、株価が上がるないし変動しなくても得られる利益は決まってしまうのです。

つまり、利益の天井はあっても、損失の底はないということです。

これは「ハイリスク・ハイリターン」ではなく「ハイリスク・ローリターン」ではないでしょうか。

具体的な言及は控えますが、実際に、大学や地方自治体の中には仕組み債を買って、大きな問題になっているところもあります。
そのようなものでも、銀行窓口でも個人相手に普通に勧められているのが現状です。


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